Borgマルチフラットナーの光路長

ASI 294 MCで撮った画像左端の星像が、流れていることは気づいていました。一昨日2撮影したM16全体・中央・左上です。初めてサイトロンQuad BPフィルターを使ってみましたが、IDAS LPS-D1との違いはよく分かりません。画像処理が下手で、どぎつい色になっていると思います。

(M16、2019/6/25、横浜市神奈川区、Borg 71FL+マルチフラットナー1.08×DG、フィルター : サイトロンQuad BPZWO ASI 294MC Pro0度)、露出時間(120秒 × 35=70分)、赤道儀 : EQM-35 ProASCOM + EQMOD)、ディザリング : あり(RAのみ)、オートガイダー : QHY CCD QHY5L-IIM + ミニ・ガイドスコープセット、トリミングなし)
(中央をトリミング)

(左上をトリミング)

フラットナーからセンサーまでの距離が問題だろうとは予想していたので、調べてみることにしました。

マルチフラットナーとデジカメの接続


Borgの説明書には次のように書いてありました。

カメラマウントとの接続は、カメラマウントホルダーM7000】ではなくM57M49.8ADSS7923】が推奨品です。※【7000】を使用する場合は焦点距離目盛を光路長分引っ込めて使用してください。

カメラマウントホルダーM7000】は光路長が5mmほど長くなるのに対し、M57M49.8ADSS7923】は光路長が0mmのアダプターです。たとえば、EOSを接続するには次のようにします。

 フラットナーの後ろがカメラマウントキヤノンEOS用【5005】ですが、この間にはM57M49.8ADSS7923】が隠れています。

一方マイクロフォーサーズですと、次のように長くしなければなりません。


フラットナーの後ろは、
M49.8延長筒S7921】+
M49.8延長筒M7922】+
・カメラマウント マイクロフォーサーズ用 【5011
ですが、やはりフラットナーの後ろにはM57M49.8ADSS7923】が隠れています。

左がEOSのカメラマウント、右がM43の延長筒とカメラマウントです。


これらの長さは、EOSが10mm、M43が34mmでした。それぞれのカメラのフランジバックを調べると、EOSが44mmでM43が20mmでした。

 EOS : 10mm + 44mm = 54mm
 M43 : 34mm + 20mm = 54mm

フラットナー後端からセンサーまでの距離は54mmでなければならないことが分かりました。ASI 294 MCを接続してその長さを測ってみました。



そうすると、フラットナーからカメラ上面までの距離が、54mmでした。フランジバック(バックフォーカスというようです)は6.5mmでした。

 ASI : 54mm + 6.5mm = 60.5mm

これが54mmでなければなりませんから、6.5mm短くしなければなりません。

 60.5mm - 54mm = 6.5mm

しかし、二つの延長筒は16.5mm21mmですので、これらでは調整できません。16.5mmの延長筒を10mmにすればちょうど長さが合います。ネットで調べると、笠井M48延長筒セット(5mm/10mm/20mm)がありました。しかし送料を入れると7,000円近くになります。一つしか使わないのに、これは痛いです。

現実的な解決策は「焦点距離目盛を光路長分引っ込める」しかありません。現在は次のように71FL400mmにしています。


ここから6.5mm引っ込めると、次のようにおよそ490m位になりそうです。

これで試してみますが、まだ晴れる夜はありません。

これから


10mmM48延長筒を探し、どんな場合でも焦点距離目盛は400にできるようにしたいと思います。Amazon.comAstromania Astronomical 2"/M48-extension Tube Kitというのがあり、5mm10mm20mm30mmの四つの延長筒で28.99ドルでした。これにしようかと思います。

※追記(2019/7/7)
ASI 294 MC付属の16.5mm延長筒は、M42→M48アダプターでした。また21mm延長筒は、M42でした。フィルターは48mmなので、16.5mmのM42→M48アダプターは必要です。逆にM42の21mm延長筒を短くする必要があります。ぴったり6.5mm短くはなりませんが、6mmだけ短くなる15mmのM42延長筒がありました。
・Northern Cross M42 延長筒(15mm

送料を入れても2,000円ほどですので、これを注文します。


※追記(2019/7/27)
Northern Cross M42 延長筒(15mm)を付けて測ってみると、5mm足りないことに?そうすると、Astromania Astronomicalから買った5mmの延長筒を付けなければなりません。こんな感じになります。


ということは、最初の21mmのままで良かったのでは?計り直すとそうでした。よく差し込んでいなかったので、6.5mm長くなっていたのです。年を取ると思い込みが激しくなるようです。

元へ戻すこともしゃくなので、何とか上の状態でうまく使えないか考えました。延長筒が細くなっている部分に紐を通して、滑落防止ができないものかと。思いついたのが、カメラのネックストラップです。これは結構いけそうです。

これまでの左上の星像の流れは、わずかに1mmほど光路長が長かったためのようです。そのため、そのぶんフラットナーの光路長を短くし、7月24日のわずかに晴れた夜に試し撮りしました。左上の星像の流れは消えていました。

※追記(2019/7/30)
フラットナーの光路長は、間に入れる光害カットフィルターなどによって変化するという、よっちゃんさんの「フラットナーの最適距離について」というブログ記事が参考になりました。

コメント

  1. >老後の趣味にと思って始めた天体観測(主に天体写真)の覚え書きです。
    全く同じ切っ掛けで、天体観測を始めて5年目になりました。
    BORGも、組み方が難しくて、色々なBLOG参考にさせていただいてます。
    71FL+BU-1+マルチフラットナー+OAG,+冷却カメラの構成で使ってます。
    意味解らず、マルチフラットナーを出したり引いたりしてましたが、光路長の不足・長過ぎの調整、こういう使い方なんだ。と、目から鱗状態です。
    ありがとうございます。

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  2. オヤジさん、申し訳ありませんでした。コメントの承認の仕方がわかっておらず、3年も経ってしまいました。いつも楽しくブログを拝見しています。ドームの環境を羨ましく思っています。なお、その後光路長の問題が面倒になり、Borgは全て処分してしまい、Askarに移っています。重ねてお詫び致します。

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