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1月, 2021の投稿を表示しています

ガイドエラー低減による星像改善・オートフォーカサー

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前回投稿した NGC2467 (どくろ星雲)の Ha は、以前のバージョンの PHD2 (シングルスターガイド)で撮影しましたので、昨日新しいマルチスターガイドの PHD2 で撮り直してみました。その結果、星像が改善しました。 届いた ZWO のオートフォーカサーをε -130D に取り付け、なんとか動くようになりました。これは便利です。 ガイドエラーと画質 前回投稿で使った Ha 画像と、昨日撮影した Ha 画像左上を拡大して比較してみます。シングルスターガイドによる Ha です。左上の星像は横に流れていることが分かります。   昨日のマルチスターガイドで撮影した Ha 画像の左上です。上と比べると星像が丸くなっていることが分かります。 両方を eccentricity 値の等高線図で比較すると、一目瞭然です。左がシングルスター、右がマルチスターです。マルチスターガイド撮影では、 eccentricity 値がほぼ 4.2 に収まっていて、誰が見ても星が丸くなっている、と言えると思います。 この右の Ha と、やはりマルチスターガイドで撮影した OIII で HOO 合成した画像です。 新旧のRGB 画像同士を比較しても、当然ですが eccentricity 値は改善しています。左上の一番悪いところでも、 0.44 から 0.38 に下がっています。 ということは、これまで Borg で悩んでいた星像の流れは、ガイドエラーのせいだったということかもしれません。 オートフォーカサーの取り付け ε -130D で使える ZWO のオートフォーカサーセットが、スターベースさんで販売されています。これを、なんとか取り付けてみました(老眼で、不器用な私でも 30 分程度でできました)。 オートフォーカサーの設定 ASCOM の標準のドライバーで認識されるはずが、だめでした。結局 ZWO 社のホームページから、次の新しいドライバーをインストールしてうまくいきました。          ZWO_ASI_Camera_ASCOM.exe 12/31/2020 撮影ソフトの N.I.N.A. では、次のように AF 方式を「星の HFR 」、カーブ設定を「パラボリック」、オートフォーカスのステップサイズを 20

新しいPHD2とNGC2467(どくろ星雲)

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昨日新しい PHD2 を使ってみました。基準星がいくつも選択されていることが次の画面で分かります。満月の明るい空にも関わらず、 RMS エラーが初めて、 0.8 台に下がりました。これまでは、一番良い条件でも 1.1 ~ 1.2 台でしたので、 0.3 ~ 0.4 程度もしくはそれ以上下がることになります。 また、露出時間を 1 秒にすることができました。これまでは、最短でも3秒にしないと、 RA ・ DEC ともに大きく乱れていました。これも、ガイドエラー低減に役立っているのではないでしょうか。 NGC2467 (どくろ星雲) 昨日撮影した OIII ( 105 分)と 20 日に撮影した Ha ( 72 分)の HOO 合成です。緯度の低い天体ですので、背景のムラが完全に取れていませんが、今のところはこれが精一杯です(ε -130D )。 これから 昨日の OIIIをインテグレーションした画像の、eccentricityはとても優秀でした。一番悪いところでも0.32ですので、丸さに関しては申し分ありません。 それに比べると、20日のHaはかなりずれており、左上は0.5を越えています。 これはもしかしたら、ガイドエラーが大きいために星が丸くなっていなかったのかもしれません。今日、もう一度Haを撮影し直して検証してみます。 また、本日オートフォーカサーが届きますので、その動作も確認してみます。フィルターで焦点距離が異なるだけでなく、鏡筒の温度変化でフォーカスが移動します。手動では、明るい星を導入して調整しなければならず、限界を感じていました。

PHD2のMultiple Starsガイド機能

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Cuiv, The Lazy Geek さんのサイトで、 PHD2 のナイトリービルドの新機能 Multiple Stars が、興奮気味に紹介されています。 上の Better Guiding With Multiple Stars です。この設定で劇的にガイドエラーが少なくなっていました。 さっそく PHD2 のサイトで、最新の v2.6.9dev3 をダウンロードしましたが、 Multi-star guiding の機能は dev2 で組み込まれたことがわかります。 実行すると、ガイドタブに Use multiple stars の設定が入っていることが分かります。なお、「子午線を越えたら赤緯出力を逆転する」にチェックが入っているのは、 GreenSwampServer を使っているためです(これも、 Cuiv さんのビデオで知りました)。これを有効にしないと、子午線反転後に赤緯のガイドができなくなります(どんどんずれていく)。 まだ、実際に使えていませんが、光害地でのガイドに絶大な効果がありそうです。楽しみです。

ナローバンドのRGBへの組み込み(ε-130D)

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Borg の星像の流れの追求に疲れたので、明るく分解能の高い、 400mm 前後の鏡筒候補だったタカハシε- 130D を正月に購入しました。これを使って、オリオン大星雲を撮影し、 Ha と OIII をなんとか RGB にうまく組み込めないか試してみました。なお、1年前に撮影した次のオリオン大星雲は、 HDRを使うように 撮影していますが、背景むらがひどくてかなりクロップしていますし、色もかなり変です。今回は短時間の撮影はやっていません。 ( Borg 71FL+ フラットナー、 294MC ) RGB の作成(再レジストレーション) PixInsight の NBRGBCombination で Ha と OIII を RGB に組み込むと、どうしても色が変になってしまいます。そのため、まず RGBを 合成したものをリファレンスとすることにし、できるだけこれに近づけるようにしようとしました。 (ε-130D、183MMによるRGBのリニア画像) いつも参考にしている、 Christopher Foster さんの My PixInsight Workflow ( https://drive.google.com/drive/folders/1jXtkjWotcn0Is-m_DZyTgim5wxfCUOgU )によれば、インテグレーションした RGB を再度レジストレーションしているとのこと、今回はそれをやってみることにしました。 StarAlignment で Distortion Correction を有効にします。 再レジストレーションしない場合とした場合では、わずかに後者の偏芯度合いが改善されていました。最初がしない場合、次が再レジストレーション済みのものです。 誰が見ても丸く見える eccentricity 値は 0.42 とされているようです。その範囲は変わりませんが、最周辺部が 0.46 から 0.44 に改善され、上部にある中心部も良くなっています。これは必ずやったほうが良いようです。 中心部がずれており、 0.42 を越える場所もありますが、 Borg 71FL では 0.6 を越える場合もありましたので、0.5を下回っていれば、私としては当面満足できます。 Borg については、これからも調整していきますが、 183MM

星像が流れるのは赤道儀が水平でなかったためか?

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Borg71FL+レデューサーで、これまでに星像が丸くなったのが、 11 月 17 日の 1 回だけでした。その時点では、フランジバックと、ヘリコイドの前後の鏡筒の傾斜を調整したので、うまくいったと思っていました。 光軸の傾斜は関係ない? しかし、その後 12 月 8 日から 22 日の間に、何度も試したのですが、いずれも左上(縦構図ですので、北西側)の星像が放射状に流れていました。 数日の間、ヘリコイドの前の鏡筒を上下左右に移動させてみましたが、基本的に上のように左上の星像が最も悪くなっていました。いずれも偏芯率が0.6を超えていますので、かなり目立ちます。 赤道儀の水平を調整にすると少しまともに 一度だけうまくいき、その後再現しないような要因が何かを考えてみました。三脚を三脚スプレッダーに乗せるとき、はっきりとはまらずに縁に乗っていたことがあることを思い出しました。これが、南西側の足でしたので、もしかしたらと思い、南西側を上げるように調整しました。泡水準器では、調整前後で大きな差があるようには見えませんでしたが・・・ 上が、 12 月 25 日に試しに撮影した画像の eccentricity 図です。以前ほど偏芯率が良くないのは、ガイドエラーのせいだと思います。RA側のエラーが大きいので、どうしても縦長の星像になります。しかし、最大の 偏芯率は 0.6 より小さくなっていますし、周辺部との差が大きくないので、画像処理である程度修正できます。私としては満足できるものです。 星像の流れの原因? もし赤道儀が水平でないことが、星像の流れの原因であれば、赤道儀が上下したがって南北に(画像は縦構図を横にしているので左右に)回転しており、その中心が中央より下したがって南に(画像では中央より右に)あるために、北側の(画像では左側の)星像が大きく流れるのではないでしょうか。 これから 12 月 25 日以降はチャンスがなかったので、今日から何度か撮影して確認してみます。