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4月, 2021の投稿を表示しています

ソンブレロ銀河の処理

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4 月8日から21日までの間にこまめに撮影した、 M104 ソンブレロ銀河の画像を処理しました。 PixInsight の使い方を学びながらですので、気づいた点をまとめておきます。 タカハシε -130D (焦点距離: 430mm )ですが、センサーが1インチの ASI 183MM ですので、結構大きく写ります。ぼんやりしているのは、仕方ありませんが・・・ L : 102 分、 R : 109 分、 G : 54 分、 B : 54 分です。他に Ha を 105 分撮影しましたが、ノイズが多くて使えませんでした。 複数のマスターの処理方法 連続して撮影した同じフィルターのサブフレームは、それぞれのフラット、フラットダーク、ダークでキャリブレーションしますが、その後インテグレーションして個別のマスターを作らないほうが良さそうです。 Cloudy Nights を読むと、次の三つの方法が使われていました。 ① 全てのキャリブレーション済みサブフレームをまとめてインテグレーション ② 個別にマスターを作り( 2 個しかなければコピーして増やし)インテグレーション ③ 個別のマスターを PixelMath で、撮影時間に比例させて結合 どうも①の方法が、一番ノイズが少ない画像をインテグレーションできるようです。今回はこれを採用しました。そのため撮影するたびに、キャリブレーションして、 SubframeSelector で選別し、重み付けをしたファイルを保存しておきます。その後、それらをまとめてアラインメント、ローカルノーマライゼーション、インテグレーションと進めていきます。 MureDenoise は DBE でノイズが増える? MureDenoise 自身は強力にノイズを減らしてくれます。使えるのは、インテグレーションしてクロップした後までで、それ以上の画像処理、例えば DBE をする前でなければなりません。次は MureDenoise を適用する前のL画像と、適用後のL画像です。 この MureDenoise は、適用の強さを表す Variance Scale を 1.11 と標準的な数値にしています。これ

Kindle Unlimitedの天体写真入門書

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加入した Kindle Unlimited で天文書を探していたところ、 Getting Started: Long Exposure Astrophotography 「やってみよう:長時間露光天体写真?」を見つけました。2013年とやや古いものの、読みやすく、私のような初心者にとって有益な情報が多くありました。 視点が庶民的 ほとんどが自分の経験に基づいて書かれていて、難しい言葉を使っていません。英語が分かりやすく、どんどん読み進められました。 スタンスが庶民的なことも好感が持てます。次は最初にあったシステムの提案例ですが、とても良い結果 が得られるとされるものでも、 25 万円から 50 万円程度と、リーゾナブルです。最高のシステムでも、私には手が届きませんが、タカハシの TOA-130 です。 コーンエラー・ホームポジション・ハートマンマスク この本で初めて、コーンエラーという言葉を知りました。ここから SharpCap の ConeSharp をダウンロードし、前回実際に計測してみたことは、前回のブログで書きました。 ホームポジションの設定もよく分かっておらず、これまで適当にやっていたことが分かりました。正確でなくても、プレートソルブすれば問題はないのだろうと思っていました。次は DEC のホームポジションの説明です。 このように、赤道儀にホームポジションの位置をマークしておくことなど、思いもよりませんでした。 また、バーティノフマスクとは別に、ハートマンマスクなるものがあることも本書で分かりました。 これまで 30mm のガイドスコープ用バーティノフマスクを自作してみたのですが、うまくいきませんでした。これならいけそうです。試してみようと思います。 星像の問題 丸くない星像についても、以下のようにかなり詳しく説明してあり、状況に応じて原因を特定するための、参考となりました。 ・中心の星が丸くない          トラッキングエラー(極軸があっていない) ・画面全体の星が長く伸びる(全て同じ方向で露出時間が長いほど伸びる)          鏡筒のたわみ(動いている間に主鏡とガイド鏡の方向がずれる

撮影時のセンサー傾き補正実行・楕円の星像

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ASTAP の傾き検知機能を使い、撮影時の傾き補正を試してみました。ある程度補正できたものの、星像が必ずしも丸くなるわけではありませんでした。 チルトアジャスターを組み込む EOS カメラマウントを使うと、その後ろのフランジバックが 44mm しかありません。 EOS マウントアダプターが 17.5mm 、 EFW が 20mm 、 ASI 183MM のバックフォーカスが 6.5mm ですので、これでぴったりになります。 そのため、 EOS マウントとアダプターの代わりに、 M54-M M42-M アダプターをオークションで購入しました(タカハシ純正は高いので除外しました)。コマコレクターの後は次のようになります。 ・ M54-M M42-M アダプター      2mm ・ ZWO チルトアジャスター      11.2mm ・ M42 延長筒                                9+5mm ・ M42 スペーサー                        0.5mm ・ M42 オスオスアダプター        2mm ・ ZWO EWF                                20mm ・ ZWO ASI 183MM                      6.5mm これで、 56.2mm になり、ぴったりとフランジバックが合います。なお、フィルターで焦点距離が長くなる分、センサーの前に 0.6mm のスペーサーを入れます。 チルトアジャスターに元々付いていたネジは、 M42 延長筒と干渉するために、別の頭が小さいネジに代えています。そのため六角レンチが穴に簡単にはまらず、調整が面倒でした。新しい、ネジ頭が埋め込まれているタイプに変更しようと思いますが、ローレットネジで適当なものがあるかどうか探してみます。 ASTAP を使った傾き検出と補正 何も補正をしていないで撮影した画像を、 ASTAP で解析すると次のようになりました。 全体の傾きが 116% となっていますので、これを 20% 程度にしなければなりません。左下を補正したものが次の画像です