撮影時のセンサー傾き補正実行・楕円の星像
ASTAPの傾き検知機能を使い、撮影時の傾き補正を試してみました。ある程度補正できたものの、星像が必ずしも丸くなるわけではありませんでした。
チルトアジャスターを組み込む
EOSカメラマウントを使うと、その後ろのフランジバックが44mmしかありません。EOSマウントアダプターが17.5mm、EFWが20mm、ASI 183MMのバックフォーカスが6.5mmですので、これでぴったりになります。
そのため、EOSマウントとアダプターの代わりに、M54-M
M42-Mアダプターをオークションで購入しました(タカハシ純正は高いので除外しました)。コマコレクターの後は次のようになります。
・M54-M M42-Mアダプター 2mm
・ZWOチルトアジャスター 11.2mm
・M42延長筒 9+5mm
・M42スペーサー 0.5mm
・M42オスオスアダプター 2mm
・ZWO EWF 20mm
・ZWO ASI 183MM 6.5mm
これで、56.2mmになり、ぴったりとフランジバックが合います。なお、フィルターで焦点距離が長くなる分、センサーの前に0.6mmのスペーサーを入れます。
チルトアジャスターに元々付いていたネジは、M42延長筒と干渉するために、別の頭が小さいネジに代えています。そのため六角レンチが穴に簡単にはまらず、調整が面倒でした。新しい、ネジ頭が埋め込まれているタイプに変更しようと思いますが、ローレットネジで適当なものがあるかどうか探してみます。
ASTAPを使った傾き検出と補正
何も補正をしていないで撮影した画像を、ASTAPで解析すると次のようになりました。
全体の傾きが116%となっていますので、これを20%程度にしなければなりません。左下を補正したものが次の画像です。改善されてはいますが、まだ96%の傾きがあります。
補正し過ぎのようですが、何度左下を調整してもうまくいきません。チルトアジャスターは3点でしか調整できないためだろうと思われます。そこで、右側のネジで調整したものが次の画面です。
傾きは21%ですが、最初に比べればだいぶましになっています。ここまで10回ほど試行錯誤しています。その都度オートフォーカサーでピントを合わせないといけませんので、1時間以上経過しました。とりあえずはこれで良しとします。なお、翌日計測した、調整幅は次のようになりました。
・右(3時) : 0.25mm
・左下(7時) : 0.3mm
撮影結果
Rフィルターで、ソンブレロ銀河を2分X30枚撮影しました。PixInsightのサブフレームセレクターで検査すると、次のようになります。青い棒グラフは偏心度を示しています。フレームごとにかなり差があることが分かります。一番良いもので0.42程度、悪いものだと0.75になっています。全体として、それほど良くなってはいません。
一番良いものと悪いものの周辺画像を比較すると、次のようになります。
下の悪い画像では、全体に右下に星像が流れており、特に右上がひどいようです。
星像の歪みの原因
センサーの傾きをある程度補正しても、それほど星像の改善には役立たないことが分かります。EOSアダプターも使っていませんので、がたつきも起きにくくなっています。軽くしっかりした鏡筒ですし、オートガイダーも軽いですので、両者のたわみも考えにくいのではないでしょうか。重力によるたわみが原因であれば、時間の経過とともにだんだん悪くなるような気がします。
昨日は、ドリフトアラインメント実行後にパークし、ホームポジションをしっかり調整しています。そうすると、ドリフトアラインメントによる極軸合わせが正確でなかったということでしょうか。もしそうだとすると、これまでうまくいく日があって、その日に撮影した画像の星像はすべて丸くなっていた、ということがうまく説明できます。
コーンエラー検知
コーンエラーが影響するかもしれないと思い、ConeSharpを実行して計測してみました。鏡筒の前部を上げるよう指示がでます。しかしどの程度上げれば良いかわからないので、調整は次回以降で時間のある時の課題にしたいと思います。
これから
サブフレームセレクターで選んだ、良いR画像23枚(46分)をコンポジットし、背景を簡単に均一にしただけの画像です。
同時に、ドリフトアラインメントをもっと丁寧に実行してみます。また、コーンエラーの修正もやってみようと思います。
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