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8月, 2022の投稿を表示しています

L-eXtremeの輝星ハロ ※ある程度解決 (追記)

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ZWO AM5 の追尾の乱れは、前回の投稿(追記)に書いた通り、極軸合わせの不完全さが原因だったことで間違いはないと思われます。 AM5 の性能が、少なくとも軽い鏡筒では全く問題のないどころか、かなり優秀であることが分かり、これでひと安心です。 問題は、ひどい光害地( SQM:18.07 )での撮影のために導入した L-eXtreme にハロが出ることです。これははくちょう座の NGC6960 の撮影で分かりました。次は 104 分の画像です。 右の輝星の付近を、2倍に拡大したのが次の画像です。 もしかしたら、私の環境では L-eXtremeの ハロはそれほど問題ないのでは、と淡い期待をしていましたが、やはりという感じです。 PixInsight の Game スクリプトでマスクを作り、なんとか解決しようとしました。 上の右のマスクを左の画像に掛けて、 Curves でいろいろと操作してみましたが、思わしくありません。次の左の画像が、マスク範囲の明度を下げたものですが、ハロの外側のリングは残っています。 Photoshopを使うと 、きれいにハロが取り除けると聞いたことはありますが、このためだけに Photoshop をサブスクリプションするのは気が進みません。 Affinity Photo で解決できるなら、検討してみようと思いますが・・・ これから 最も妥当な解決策は、半値幅は L-eXtreme より広いものの、ハロが出にくいとされる、 IDAS Nebula Booster NBZ にフィルターを替えることだと思います。明日届くということですので、晴れたら使ってみます。 完全に IDAS NBZ に移行できるか、対象によって L-eXtreme と使い分けをするのが良いか、検証していこうと思います。 ※追記( 2022 年 8 月 30 日)ハロの処理 輝星のハロ取りに再挑戦してみました。完璧ではないものかなり効果がありましたので、その手順を書き留めておきます。 今回のポイントは次の三つです。 ・早い段階で行う(ノンリニアの最初) ・マスクはバイナリーで作る(ハロはサークル内で均等に見える) ・星雲画像に処理する ノンリニアの最初の段階で、星と星雲を分離するとハロは星雲画像だけに現れていました。次の左の星雲画像にハロがは

風に弱いAM5はポータブル電源を重しに

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8 月 18 日(木)は風が強く、ウェイトなしの FRA400+AM5 という軽量の機材では、三脚を一番短く折りたたんだ状態でも、その影響をもろに受けることが分かりました。 このときの画像は、 Blink では分からないものの、 SubFrameSelector では明らかに Eccentricity の値が悪くなり、取り除きました。 この日は、 N.I.N.A. の Three Point Polar Alignment ( TPPA )を西の空と東の空で2回行いました(撮影手順は N.I.N.A.で シーケンスを作っておきました)。2回目は微調整で済んだので、極軸合わせはうまくいったと思います。事実風がなければ、ガイドグラフは平坦でした(次の中央部分)。 そのため、ポータブル電源( 3.7kg )をストーンバックに入れたところ、かなり改善されました。次は結構風が吹いている状態のグラフですが、十分許容できる範囲だと思います。 この日は NGC6992 を 72 分撮影でき、合計で 200 分を超えましたので、簡単に処理してみました。黄色を強調し過ぎたようですが、明らかに前の約1時間露出の画像より、画質が向上しています。 これから 目標としている 20 時間はまだまだ先ですが、なんとかそこに到達して、どの程度画質が向上するのかを見てみようと思います。 また、今回は満足できるものでしたが、引き続き AM5 の動作を検証していかなければなりません。 ※追記(2022/8/24) 翌日の19日(金)のガイドは安定しませんでした。特に赤経が大きく乱れるときがあります。 しかし、それほど良くはないものの安定しているときもあります。 TPPAを2回実施したつもりですが、2回めの極軸合わせがうまくいかなかった可能性があります。このようなときはもう一度TPPAやPHD2のドリフトアラインメントで確認する必要がありますね。 NGC6992を再処理してみました。緑を完全に除去しないで少し残したり、GHSによるストレッチの際、通常のストレッチの後で明度(L)と彩度(Col)のストレッチを独立して行ってみたりしました。このストレッチ方法は、https://ghsastro.co.uk/paulyman/を参考にしています。星雲の色は前回

ようやくAM5が使える

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昨夜は雲が多かったのですが、はくちょう座のある東側が比較的見えていたので、 ZWO AM5を使ってみました 。 移動・設定・回収が楽 赤道儀本体の軽量化に加え、ウェイトが不要になったので、全体としては 4kg 程度軽くなりました。 設定するときは、従来の①ウェイトを取り付け、②クランプフリーにしてバランスを取り、③マーカーを頼りにホームポジションに合わせてクランプを締める、というステップが不要になりました。撤収時でも当然ウェイトの取り外しが不要です。 極軸合わせがやや楽に これまでの AZ EQ5 GT では、高度合わせをするのに六角レンチを差し込んで調整していましたが、 AM5 では写真のように大きなレバーがありますので、微妙な位置合わせが楽になりました。 ガイドエラーは少なくなったはず 前回の AZ EQ5 GT と同じように、 N.I.N.A. の Three Point Polar Alignment ( TPPA )を 1 回使って極軸合わせをしました。上が前回のグラフ、下が今回の AM5 のグラフです。 どちらもそれほど良くはないのですが、下の AM5 の方が RA 側が安定しているようです。前回は晴れていて、今回は時折雲がかかっていたことを考えると、もっと差があるように思えます。 事実、前回は PixInsight の Blink を使い、星像がひどく歪んだものを 1 割以上取り除きましたが、今回はほとんどありませんでした。 なお、最初の TPPA では方位角がかなり狂っていましたので大きく調整しなければなりませんでした。このような場合は、もう一度 TSPA を実行した方が良いとされています。次回試してみようと思います。 また、下のAM5の全体の数値が良くないのは、最後の方で雲が本格的に掛かってきて、ガイドが大きく乱れたためです。 その他にも、自動導入が高速でほぼ無音であることなど、どの点を取ってみても、 AZ EQ5 より使いやすいと感じました。もちろん高価ですけれと、それを補って余りある使いやすさだといえます。 電源の交換 ポータブル電源を FlashFish の 45,000mAh から、 Anker 5

デュアルナローバンド画像はディベイヤーで補間しない方がきれい?

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前回はくちょう座網状星雲 NGC6992 を撮影してから、天候のせいで ZWO AM5 の出番がありません。ポータブル電源も強化したのですが、これも実践では使えていません。 そのため、前回の画像の再処理をやってみました。デュアルナローバンドフィルターで撮影した OSC 画像は、ディベイヤーで補間をしないほうが良いという記事を見かけましたので、試してみることにしました。 DeBayer の方法は SuperPixel に これまではキャリブレーションはすべて手動でやっていましたが、あまりに面倒で、最近は WBPP スクリプトを使うようになりました。ただし、ディベイヤー処理までで、ウェイト付け以降は相変わらず手動でやっています。 WBPP スクリプトで、次のように Debayer Method を SuperPixel にします。 Drizzle で解像度を上げるも色ズレが ディベイヤーで補間をしないので、画像の大きさは1/4になります。ひどくアンダーサンプリングになりますので、ドリズルで解像度を上げています。しかし、元の画像(左)でもドリズル後の画像(右)でも、星の色がずれています。 考えてみると、補間をしていないのだから、色によって素子の位置がずれて記録されているということではないでしょうか。 RGB 別々にインテグレーション そのため、次の画面のように Debayer の出力を Separate RGB にし、RGBそれぞれに同じマスターで位置合わせをしてから、 ドリズル インテグレーションするようにしました。なお、今回はテストなので、背景をレファレンスにあわせて均一にする LocalNormalization は行っていません。 ただし、実際に使ったのは R と G だけで、ノイズの多い B はこの時点で捨てています。 なお、RとGは別々にDeconvolutionします。 色ズレはほぼ解消される RGB で出力した画像(左)と、 RG を別々にインテグレーションして合成した RGB 画像(右)を比較すると、色ズレはかなり解消されているようです。 色が鮮やか? リニア状態で作ったこの RGB 画像を、次の手順で簡単に処理します。 ・ NoiseXTerminator でノイズ除去 ・ GHS でストレッチし