デュアルナローバンド画像はディベイヤーで補間しない方がきれい?

前回はくちょう座網状星雲NGC6992を撮影してから、天候のせいでZWO AM5の出番がありません。ポータブル電源も強化したのですが、これも実践では使えていません。

そのため、前回の画像の再処理をやってみました。デュアルナローバンドフィルターで撮影したOSC画像は、ディベイヤーで補間をしないほうが良いという記事を見かけましたので、試してみることにしました。

DeBayerの方法はSuperPixel

これまではキャリブレーションはすべて手動でやっていましたが、あまりに面倒で、最近はWBPPスクリプトを使うようになりました。ただし、ディベイヤー処理までで、ウェイト付け以降は相変わらず手動でやっています。

WBPPスクリプトで、次のようにDebayer MethodSuperPixelにします。


Drizzle
で解像度を上げるも色ズレが

ディベイヤーで補間をしないので、画像の大きさは1/4になります。ひどくアンダーサンプリングになりますので、ドリズルで解像度を上げています。しかし、元の画像(左)でもドリズル後の画像(右)でも、星の色がずれています。


考えてみると、補間をしていないのだから、色によって素子の位置がずれて記録されているということではないでしょうか。

RGB別々にインテグレーション

そのため、次の画面のようにDebayerの出力をSeparate RGBにし、RGBそれぞれに同じマスターで位置合わせをしてから、ドリズルインテグレーションするようにしました。なお、今回はテストなので、背景をレファレンスにあわせて均一にするLocalNormalizationは行っていません。


ただし、実際に使ったのは
RGだけで、ノイズの多いBはこの時点で捨てています。なお、RとGは別々にDeconvolutionします。

色ズレはほぼ解消される

RGBで出力した画像(左)と、RGを別々にインテグレーションして合成したRGB画像(右)を比較すると、色ズレはかなり解消されているようです。


色が鮮やか?

リニア状態で作ったこのRGB画像を、次の手順で簡単に処理します。
NoiseXTerminatorでノイズ除去
GHSでストレッチしてノンリニアにする
SNCRで緑を除去
StarXTerminatorで星雲と星に分離
・星雲をCurvesDarkStructureEnhanceなどで強調
・星雲と星を結合

こうしてできたのが次の画像です。これまでで最も色が鮮やかに出ているような気がします。ただし、これが補間しないディベイヤー処理のせいなのかどうかははっきりしませんが・・・


※追記(2022/8/5)  今回の仮説は誤り

同じ解像度にするのに、ディベイヤーで補間するか、ドリズルで補間するかの違いということになりますので、当然両者を比較しなければなりませんでした。

左がディベイヤーで補間した画像のR、右がディベイヤーでは補間せずにドリズルで解像度を上げたRです。

明らかにディベイヤーで補間した左の画像が解像度が高くノイズが少なくなっています。今回のような29枚程度のライト画像では、ドリズルはそれほど際立った効果が得られないということではないでしょうか。

この後は、通常のディベイヤーを行い、その後リニア状態でRGBに分解してDeconvolutionしてみようと思います。

 

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