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カシオペア座ハート星雲は画角が足りない

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天頂に近い、従って都内でも光害の影響が少ないかもしれない、カシオペア座ハート星雲を撮影してみました。しかし、 FRA400 と 533MC の構成では、画角が足りないことを思いしらされます。 撮影時間が 120 秒 x160 枚= 320 分、赤道儀が ZWO AM5のみ 、フィルターが IDAS NBZのみ 、撮影日程が 2020 年 10 月 20 日と 26 日の2日間であることを除けば、条件は前回と全く同じです。 画角を広げるには 老人の思い込みで、鏡筒を Askar FRA300 にするか、カメラを RisingCam の IMX571 センサーのものにするしかないかと、踏ん切りを付けていたのですが、考えてみれば、Askar FRA400には 0.7倍 レデューサーがあったのですね。 新しい鏡筒にすると、除湿庫に入らなくなりそうですし、センサーを大きいものにすると、画像ファイルサイズが 4 倍にもなり、処理に時間がかかりそうで逡巡はしていました。 しかしレデューサーですと、これまでずっと悩まされていたバックフォーカスの問題が出てきて、ペッツバールの恩恵がなくなりますので、視野から外していたのです。ただ、試してみる価値はあるのではと思い直し、購入してみました。 これから レデュサーを使って、周辺画像がどの程度になるのか見てみようと思います。これが使えれば、除湿庫の問題もファイルサイズの問題もなくなるので、ありがたいことだと思うのですが・・・ ※追記(2022/10/29) この対象は、通常の処理をすると赤が支配的で面白くありません。そのため、SHO(※HOOは間違いでした)風の処理をしてみました。参考にしたのは、例によってCuivさんのYoutubeです(https://www.youtube.com/watch?v=c1-DaPtqr60)。これは面白いですし、Cuivさんが紹介している方法はとても簡単です。 ※追記(2022/11/06) HOOをSHO風にするのは、次の動画で紹介されていて、 Cuivさんはこのサイトを引用されていました。後半部に説明があります。      https://www.youtube.com/w

都内からのはくちょう座網状星雲西

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西の NGC6960 の撮影時間をもっと増やそうと思いましたが、天候が思わしくなく、今年はここが潮時のようです。最初東側天頂付近にあった対象が、だいぶ西に傾いてきました。西は都心に近くなりかなり明るくなります。 西側は全体に淡いので、東側より多少明るく仕上げてみました。なお、画像は、北を上にすると落ち着かないので、左を北にしています。 撮影日程:     2022 年 08 月 18 日から 2022 年 10 月4日にかけて 11 日間 撮影場所:      東京都足立区( SQM: 18.07 ) 撮影方法:     120 秒 ☓ 342 枚(合計 684 分)・ 3 枚ごとにディザリング・                                      毎回 LED トレーサーでフラット 30 枚撮影 撮影機材:                        鏡筒 : Askar FRA 400                     カメラ: ZWO ASI 533 MC Pro ( 0 度冷却)                     赤道儀: 主に ZWO AM5 ( AZ-EQ5 GT も使用)                     フィルター: 主に IDAS NBZ ( L-eXtreme も使用)                     オートガイダー: ZWO 30F4 ミニスコープ+ ASI 290MM mini(0.5秒露出)                     オートフォーカサー: ZWO EAF (電動フォーカサー)                     撮影 PC : Beelink U59 ミニ PC ( Windows 11 ) +                                Fire HD 8 タブレット( TeamViewer ) +                                GL.iNet GL-MT300N-V2 ルータ                     撮影ソフト: N.I.N.A. + PHD2 画像処理:      PixInsightのみ                             ダーク・フラット・フラットダークでキャリブレ

都内からのはくちょう座網状星雲東

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東側の NGC6992 を処理してみました。 L-eXtreme で 292 分、 IDAS NBZ で 302 分の合計 594 分( 2 分 ☓297 枚)です。 NBZ の光量が L-eXtreme の 2 倍ですので、 L-eXtreme 基準で考えると、 292 + 302 ☓ 2=896 分(約 15 時間)となります。目標とした 20 時間には届かないものの、比較的明るい対象ですので、ある程度満足できるものになったと思います。 なお、東京都足立区から 2022 年 8 月 18 日から 2022 年 09 月 30 日までの 10 日間で撮影しました。Askar FRA400鏡筒、ZWO ASI 533MC Proカメラ(0度冷却)を使用、 ZWO 30F4 ミニスコープと ZWO ASI 120MM-mini でオートガイドし、毎回 30 枚のフラットを撮影しています(ダークは撮りためたものを使用)。赤道儀は前半がAZ EQ5 GT、後半がZWO AM5です。 前回の投稿でご説明したように、毎回 PixInsight ( PI )の WBPP でキャリブレーションだけを行い、ディベイヤーファイルを作って保存しておき、最後に WBPP に全てのディベイヤーファイルを放り込んでインテグレーションしています。インテグレーションとローカルノーマライゼーションのレファレンスファイルも、 WBPP におまかせして作ってもらうようにしました。 300 枚近くのファイルの処理には、 2 時間半ほど掛かりますが、ほうっておけば良いので大変便利です。 また、これも前回の投稿でご説明したように、ストレッチには PI の Generalized Hyperbolic Stretch ( GHS)スクリプト を使うようにしています。この中に Arcsinh の機能も組み込まれていますので(colour stretch)、これも使いながら何回かに分けてストレッチします。 GHS で星の肥大と飽和が効果的に防げますので、上の画像でも星像 縮小処理 は行っていません。 これから 網状星雲西側も、同じ時間を掛けていますが、まだ満足できるものにはなっていません。もっと撮影時間を増やしてみようと考えています。

おとめ座銀河の処理とPixInsightのWBPPの活用

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二つのはくちょう座網状星雲も、撮影時間がそれぞれなんとか 10 時間を超えたところです。天頂付近にあったものが、だいぶ西の空に傾いてきました。西側は東京都心に近くなりますので、そろそろ今年は終わりにしなければなりません。 特に処理する画像がないので、過去に撮影してそのままにしておいたおとめ座銀河を処理してみました。 Askar FRA400 鏡筒、 ZWO ASI 533MC カメラ、 Comet BP フィルターを使い、横浜市内で撮影した、 M49 と「失われた銀河」の NGC4535 と NGC4526 です また、これまでの PixInsight の処理方法を見直し、キャリブレーションからインテグレーションまで、一貫して WBPP を使うように変更しました。これは、丹羽さんのサイト「たのしい天体観測」を参考にさせていただきました。 最初は無理かと 2022 年 2 月 27 日に横浜市内で撮影した、 42 分( 120 秒 21 枚)の画像を見て、あまりにノイズがひどく、銀河にナローバンドフィルターが使えないことや、鏡筒が短焦点であることなどから、どうも私の構成ではおとめ座銀河は無理そうだと思っていました。 意外といけるのかな 3 月 6 日に 102 分、 15 日に 68 分撮影してそのままにしておいた、合計 212 分の画像を処理してみました。これまでの方法でストレッチすると、星が飽和するので、次のような工夫をしました。 ・ NoiseXTerminator はリニアではなく、ストレッチ後に行う。           これによって星の飽和がかなり防げる。 ・ GHS ( GeneralizedHyperbolicStretch )によるストレッチでは、ハイポイント( HP )を低くして明るい部分を保護する。           GHS はもともと星が飽和しにくいが、これでさらに星の肥大と飽和が抑えられる。 意外に良く写っているのかなと思いました。左上の NGC4535 には、かすかに S 字の構造が見えます。 M49 、 NGC4535 、 NGC4526 以外にも、明らかに銀河だと思われるものがありますので、 PixI