L-eXtremeの輝星ハロ ※ある程度解決 (追記)
ZWO AM5の追尾の乱れは、前回の投稿(追記)に書いた通り、極軸合わせの不完全さが原因だったことで間違いはないと思われます。AM5の性能が、少なくとも軽い鏡筒では全く問題のないどころか、かなり優秀であることが分かり、これでひと安心です。
問題は、ひどい光害地(SQM:18.07)での撮影のために導入したL-eXtremeにハロが出ることです。これははくちょう座のNGC6960の撮影で分かりました。次は104分の画像です。
右の輝星の付近を、2倍に拡大したのが次の画像です。
もしかしたら、私の環境ではL-eXtremeのハロはそれほど問題ないのでは、と淡い期待をしていましたが、やはりという感じです。
PixInsightのGameスクリプトでマスクを作り、なんとか解決しようとしました。
上の右のマスクを左の画像に掛けて、Curvesでいろいろと操作してみましたが、思わしくありません。次の左の画像が、マスク範囲の明度を下げたものですが、ハロの外側のリングは残っています。
Photoshopを使うと、きれいにハロが取り除けると聞いたことはありますが、このためだけにPhotoshopをサブスクリプションするのは気が進みません。Affinity Photoで解決できるなら、検討してみようと思いますが・・・
これから
最も妥当な解決策は、半値幅はL-eXtremeより広いものの、ハロが出にくいとされる、IDAS Nebula Booster NBZにフィルターを替えることだと思います。明日届くということですので、晴れたら使ってみます。
完全にIDAS NBZに移行できるか、対象によってL-eXtremeと使い分けをするのが良いか、検証していこうと思います。
※追記(2022年8月30日)ハロの処理
輝星のハロ取りに再挑戦してみました。完璧ではないものかなり効果がありましたので、その手順を書き留めておきます。
今回のポイントは次の三つです。
・早い段階で行う(ノンリニアの最初)
・マスクはバイナリーで作る(ハロはサークル内で均等に見える)
・星雲画像に処理する
ノンリニアの最初の段階で、星と星雲を分離するとハロは星雲画像だけに現れていました。次の左の星雲画像にハロがはっきりと見え、右の星の画像にはハロはありません。星雲画像だけにハロ取りを適用すれば、本来の星の画像に影響を与えないのではと思いました。
この星雲のハロを見ると、中心から周辺に向かって漸減しているのではなく、均等に分布しているように見えます。そのため、マスクは次のようにバイナリーで作りました(GAMEスクリプト)。
マスクの境界をぼかし(Convolution)、適用しては大きさを微妙に変更して(Morphological Transformation)、できるだけピッタリ合うようにします。
この状態で明度を落としていきますが、なかなかうまくはいきません。次の右の画像が、微妙ですがある程度ハロが目立たなくなった状態です。
もう少し引いて比較してみると、右の画像が自然に見えます。元の画像(左)とは明らかに異なります。前回のハロ取り画像と比較しても、その差は歴然です。
ハロは星雲画像に現れること、星雲画像だけにハロ取り処理を行うことで、元の星の明るさに影響を与えないことが分かりました。多少残ったハロはそれほど気になりませんので、L-eXtremeの輝星ハロはこれで処理していこうと思います。
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