Kindle Unlimitedの天体写真入門書

加入したKindle Unlimited で天文書を探していたところ、Getting Started: Long Exposure Astrophotography「やってみよう:長時間露光天体写真?」を見つけました。2013年とやや古いものの、読みやすく、私のような初心者にとって有益な情報が多くありました。

視点が庶民的

ほとんどが自分の経験に基づいて書かれていて、難しい言葉を使っていません。英語が分かりやすく、どんどん読み進められました。スタンスが庶民的なことも好感が持てます。次は最初にあったシステムの提案例ですが、とても良い結果が得られるとされるものでも、25万円から50万円程度と、リーゾナブルです。最高のシステムでも、私には手が届きませんが、タカハシのTOA-130です。

コーンエラー・ホームポジション・ハートマンマスク

この本で初めて、コーンエラーという言葉を知りました。ここからSharpCapConeSharpをダウンロードし、前回実際に計測してみたことは、前回のブログで書きました。

ホームポジションの設定もよく分かっておらず、これまで適当にやっていたことが分かりました。正確でなくても、プレートソルブすれば問題はないのだろうと思っていました。次はDECのホームポジションの説明です。このように、赤道儀にホームポジションの位置をマークしておくことなど、思いもよりませんでした。

また、バーティノフマスクとは別に、ハートマンマスクなるものがあることも本書で分かりました。これまで30mmのガイドスコープ用バーティノフマスクを自作してみたのですが、うまくいきませんでした。これならいけそうです。試してみようと思います。

星像の問題

丸くない星像についても、以下のようにかなり詳しく説明してあり、状況に応じて原因を特定するための、参考となりました。

・中心の星が丸くない
        
トラッキングエラー(極軸があっていない)

・画面全体の星が長く伸びる(全て同じ方向で露出時間が長いほど伸びる)
        
鏡筒のたわみ(動いている間に主鏡とガイド鏡の方向がずれる)

・四隅の星のコマが外を向いている
        
屈折望遠鏡でフラットナーを使っていない場合が多い
        
もしくはバックフォーカスが合っていない

・四隅の星のコマが内側を向いている
        
反射望遠鏡でコマコレクターを使っていない

天体写真は奥行きが深い

著者は天体写真が「得られるものが非常に大きな経験」であると同時に、諦めて機材を投げ売りする人や、出費を抑えて先へ進もうとしない人がいて、それらがホラーストーリーであるとも書いています。落とし所が難しい趣味ということだと思い、なんか納得できます。

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