ガイドエラー低減による星像改善・オートフォーカサー

前回投稿したNGC2467(どくろ星雲)のHaは、以前のバージョンのPHD2(シングルスターガイド)で撮影しましたので、昨日新しいマルチスターガイドのPHD2で撮り直してみました。その結果、星像が改善しました。

届いたZWOのオートフォーカサーをε-130Dに取り付け、なんとか動くようになりました。これは便利です。

ガイドエラーと画質

前回投稿で使ったHa画像と、昨日撮影したHa画像左上を拡大して比較してみます。シングルスターガイドによるHaです。左上の星像は横に流れていることが分かります。 

昨日のマルチスターガイドで撮影したHa画像の左上です。上と比べると星像が丸くなっていることが分かります。

両方をeccentricity値の等高線図で比較すると、一目瞭然です。左がシングルスター、右がマルチスターです。マルチスターガイド撮影では、eccentricity値がほぼ4.2に収まっていて、誰が見ても星が丸くなっている、と言えると思います。

この右のHaと、やはりマルチスターガイドで撮影したOIIIHOO合成した画像です。

新旧のRGB画像同士を比較しても、当然ですがeccentricity値は改善しています。左上の一番悪いところでも、0.44から0.38に下がっています。

ということは、これまでBorgで悩んでいた星像の流れは、ガイドエラーのせいだったということかもしれません。

オートフォーカサーの取り付け

ε-130Dで使えるZWOのオートフォーカサーセットが、スターベースさんで販売されています。これを、なんとか取り付けてみました(老眼で、不器用な私でも30分程度でできました)。


オートフォーカサーの設定

ASCOMの標準のドライバーで認識されるはずが、だめでした。結局ZWO社のホームページから、次の新しいドライバーをインストールしてうまくいきました。
         ZWO_ASI_Camera_ASCOM.exe 12/31/2020

撮影ソフトのN.I.N.A.では、次のようにAF方式を「星のHFR」、カーブ設定を「パラボリック」、オートフォーカスのステップサイズを20にして、うまくいきました(これらの設定はCuivさんのビデオが参考になりました)。

何度かオートフォーカスを手動で実行させ、上の設定で次のような放物線が作られ、最適なフォーカス位置に移動しました。


オートフォーカサーを使った撮影

N.I.N.A.のシーケンサーで、フォーカサーの設定をします。次のように、「撮影開始時」「フィルター交換時」「60分経過時」の三つの時点で動作させるようにしました。


これから

これまで頭を悩ませてきた、星像の問題は解決したのでしょうか(それならいいのですが)。また、ピント合わせの課題も、意外と簡単に解決したように思います。だいぶ気が楽になりました。

※追記(2021/2/1)

オートフォーカサーのバックラッシュを測定し直しました。上のN.I.N.A.では60と設定していましたが、30で十分であることが分かりました。

昨日撮影したバラ星雲は、eccentricity値が元に戻って悪くなっていました。どうもよく分かりません。どのサブ画像もそうなので、ガイドの一時的な乱れでもなさそうです。0.05mmのシムリング(自作)で、バックフォーカスをもう一度調整してみるしかないかもしれません。

※追記(2021/2/3)

測定で出たオートフォーカサーのバックラッシュ値30では、きれいな放物線にはならず、60に戻しました。

昨日撮影した星像もよくありませんでした。オートフォーカサーのおかげで、シムリングの交換が楽になり、8種類ほどの長さを試しましたが、いずれも同じような結果でした。しかしよく見ると、同じバックフォーカス設定でも、ばらつきがあり、結局ガイドエラーが最も大きな要因なのかもしれません。ガイドログと照らし合わせて検証してみようと思います。

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