ナローバンドのRGBへの組み込み(ε-130D)

Borgの星像の流れの追求に疲れたので、明るく分解能の高い、400mm前後の鏡筒候補だったタカハシε-130Dを正月に購入しました。これを使って、オリオン大星雲を撮影し、HaOIIIをなんとかRGBにうまく組み込めないか試してみました。なお、1年前に撮影した次のオリオン大星雲は、HDRを使うように撮影していますが、背景むらがひどくてかなりクロップしていますし、色もかなり変です。今回は短時間の撮影はやっていません。

(Borg 71FL+フラットナー、294MC)

RGBの作成(再レジストレーション)

PixInsightNBRGBCombinationHaOIIIRGBに組み込むと、どうしても色が変になってしまいます。そのため、まずRGBを合成したものをリファレンスとすることにし、できるだけこれに近づけるようにしようとしました。

(ε-130D、183MMによるRGBのリニア画像)

いつも参考にしている、Christopher FosterさんのMy PixInsight Workflowhttps://drive.google.com/drive/folders/1jXtkjWotcn0Is-m_DZyTgim5wxfCUOgU)によれば、インテグレーションしたRGBを再度レジストレーションしているとのこと、今回はそれをやってみることにしました。StarAlignmentDistortion Correctionを有効にします。

再レジストレーションしない場合とした場合では、わずかに後者の偏芯度合いが改善されていました。最初がしない場合、次が再レジストレーション済みのものです。


誰が見ても丸く見えるeccentricity値は0.42とされているようです。その範囲は変わりませんが、最周辺部が0.46から0.44に改善され、上部にある中心部も良くなっています。これは必ずやったほうが良いようです。

中心部がずれており、0.42を越える場所もありますが、Borg 71FLでは0.6を越える場合もありましたので、0.5を下回っていれば、私としては当面満足できます。Borgについては、これからも調整していきますが、183MMのコリメーションエラーもあるのかもしれませんし、バックフォーカスがシビアなのかもしれません。。

NBRGBCombinationによるナローバンドの組み込み

撮影したOIIIとHaは次のようになっています。OIIIにも多くの情報があり、なんとかこれをGBで活かせないかと考え、いろんなパターンを試しましたが、どうもうまくいきません。

(OIII)

(Ha)
まず、ナローバンド同士の背景の信号レベルを、LinearFit合わせておきます。最初は、HaRHaOIII合成したものをGOIIIBに割り当てます。次のような青ざめた画像になります。BandwidthScaleの値を変えても、基本は同じです。


そのため、HaHaOIIIOIIIをそれぞれRGBに組み込んで三つの画像を作り、もとのRGB画像と割合を変えながら、合成してみました。分かりやすいようにScale4と強くして作った、RGBそれぞれに対応する画像です。



しかし、どのように割合を変えて組み合わせても、OIIIが入ると奇妙な色になります。結局RGBにHaを組み込んだRGBの合成画像が、なんとか元の色の赤を強調したという、なんか納得できるものになります。これをストレッチします。


EmissionLineIntegrationによるナローバンドの組み込み

NBRGBCombinationはすでにディスコンになり、新しいEmissionLineIntegrationスクリプトが使えるようになっています。しかし、処理時間が大幅に増えていて、結果は大きくは変わりませんでした。やはり、HaOIIIを組み込むと青ざめた画像になります。


OIIIL画像として使う

そのため、あまり活躍の場がないOIIIは、RGBから抽出したL画像、HaとともにL画像として合成し、RGBに戻すだけになっています。


これから

今のところは、これが精一杯ですが、これからネットでいろいろ探っていこうと思います。まだ未熟ですが、カラーカメラと光害カットフィルダーでは出せない自然な色が、モノクロカメラでは出せそうだという感じがしています。

ε130Dは、光軸調整が心配でしたが、出荷状態でしっかり調整されているようで、当面は何もしなくて大丈夫のようです。老人にはこの重さが精一杯ですので、ベランダでは、これをメインにして活用していきます。

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