モノクロFITSファイルのコンポジット
ステライメージ8(SI8)のコンポジットパネルは使えない
知りませんでした、ワンショットカラーCMOSカメラは、一般的ではないのですね。SI8でモノクロのまま一応コンポジットできる場合もあれば、途中で動作がおかしくなることもありました。できたものをRGB変換すると、星雲が破綻しています。
よく調べると、「※ コンポジットパネルの画像読み込みは、カラーの冷却CCDカメラやCMOSカメラで撮影したモノクロFITS形式には未対応です。ベイヤー配列からカラー画像への変換が行われません。」と書いてありました
DeepSkyStacker(DSS)でコンポジットしてみる
参考にしているAstroBackyardサイトでは、DeepSkyStackerを使っているとのこと。さっそくやってみると、星がドーナツ状になってしまいます。
出力をTIFFからFITSファイルにすると、SI8で読み込めないというエラーも出てしまいます。そこでSI8でRGB変換してからコンポジットしてみたところ、SI8が途中で突然終了するというエラーが起きました。サポートにメールをしたところ、回避策や、RGB変換などの際のさまざまな情報をいただきました。
SI8でコンポジットにチャレンジ
コンポジットパネルを使わないでコンポジットを行うには、原則としてRGB前にダーク、フラット処理をするとのこと。1枚ずつダーク・フラット処理をするには、マスターダーク、マスターフラットを作らなければなりません。サポートの指示の通りに、加算平均(σクリッピング)、バイリニア、しきい値1.1でコンポジットします。
これを使ってライト画像1枚ずつダーク・フラット・RGB変換するのはいくら何でも大変ということで調べると、「ワークフロー」というバッチ処理があることが分かりました。
これで、ダーク・フラット処理とRGB変換をまとめてできます。できたカラーFITSファイルを使って、コンポジット・パネルで、レベル調整もオートストレッチもオンにして、コンポジットします。
これまでは、ソフトビニングフラットを使ったカブリ補正、レベル調整、デジタル現像、トーンカーブ調整だけを適当にやっていたのですが、アストロアーツサポートさんの丁寧な指示に従って、スターシャープなども使って処理してみました。
(M17、2019/6/5、横浜市神奈川区、Borg 71FL+マルチフラットナー1.08×DG、フィルター : IDAS LPS-D1、カメラ : ZWO ASI 294MC Pro : Gain 120、180秒X20枚、ディザリングなし、赤道儀 : EQM-35 Pro(ASCOM+EQMOD)、オートガイダー : QHY CCD QHY5L-IIM+ミニ・ガイドスコープセット、4分の1程度にクロップ)
偽色も多く、赤っぽくなっていて変な気もしますが、去年12分で撮影したものと比べると、当然ですがずっと良くなっています。カメラと時間の差だけでなく、フィルターの効果も大きいと思います。
(M17、2018/8/26、東京都世田谷区、Borg 71FL+マルチフラットナー1.08×DG、フィルター : なし、カメラ : オリンパス OM-D E-M5 Mark II、ディザリングなし、90秒X8枚、赤道儀 : iOptorn Skyguider Pro 、オートガイダー : QHY CCD QHY5L-IIM+ミニ・ガイドスコープセット、4分の1程度にクロップ)
しかし、このやり方は面倒くさいですね。モノクロFITSとカラーFITSの2種類を保存しなければならないし、SI8のコンポジットはとにかく時間が掛かります。もう一度DSSにトライしてみます(次回)。
※追記(2019/8/29)
PixInsightを使うようになり、DSSもSI8も使わなくなってしまいました。
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