M8・オートガイドのハンチング・オートフラットの周辺像


月明かりでの撮影


月齢10の明るい空でしたが、これからしばらく晴れそうもないので、撮影してみました。ベランダからは月と木星が見えます。


赤道儀と三脚には全ての配線を取り付けてありますので、それを持ち出して鏡筒を取り付け、USB2カ所とカメラ電源1カ所をつなぎ、三脚から出したAC電源をコンセントにつなぎ、USB3.0ケーブルをパソコンにつなぐだけです。5分以内で終わるところが、ベランダ観望の楽なところです。赤道儀(EQM-35 Pro)と三脚を合わせても片手で持てますので、これが正解だったかもしれません。


自動導入とピント合わせ

ステラリウムで明るい星を自動導入し、ファインダーを見ながら、ゲームパッドで中心に持ってきます。次にAPTLive Viewでさらに中心に導入し、ステラリウムで同期を取ります。ピント合わせは、Bahtinov Aidがあるのですが、どうもうまく使いこなせず、Magnifierを使って光条を合わせています。

ドリフト・アライメント

PHD2で方位だけをドリフト・アライメントで調整します。高度は一度合わせておけば、それほどずれないような気がします。三脚の位置はテープでマークしていますが、方位の微妙なずれが必ず起きます。以前はこれを省いていたので、オートガイドのハンチングがしょっちゅう起きていました。今回はディザリングをしても(RAだけですが)、何とかガイドできています。


ガイドの精度は高くないのですが、71FL鏡筒では十分ではないかと思っています。今回は、合計で3.5時間撮影しましたが、ハンチングは次の1回だけでした。


すぐに気がついて手動で修正しましたが、これを完全になくすことが課題です。ハンチングがあっても自動的に収束すれば、後でその画像だけを除外すれば良いだけの話ですが、上のようなことが起きると、以降の画像は全て使えなくなってしまいます。

APTのポイントクラフトと撮影

ドリフトアラインメントが終わると、APTのポイントクラフトで、天体を指定して、GOTOを押します。自動的にテスト撮影Gain 1208秒にしました)、ソルビングを始めます。


ソルビングは数秒で終わり、微妙な鏡筒の位置調整をしてもう一度撮影、ソルビングをします。この2度の撮影とソルビングでほぼ間違いなく天体が中央に来ます(下はポイントクラフト終了時点です)。


画像処理

今回は初めてM8を撮影してみました。また月明かりなので時間もトータルで90分と長めにしました。DeepSkyStackerDSS)でコンポジットし、ステライメージ8(SI8)で処理します。

DSSでコンポジットしたAutosave.fit

SI8では最初に、コンポジットした画像から「セルフフラット」を作ります。しかし、このフラット画像の周辺部(左辺と上辺)が乱れてしまいます。また、中央部の星雲が明るく残っていますので、これでフラット補正をすると中央部が暗くなってしまいます。

(セルフフラットで作ったフラット画像を強調したもの)

画像処理したものは次のように、やはり左辺と上辺が乱れています。


四隅をトリミングして、画像の上下が逆だったようですので、回転してできたのが次のものです。

M82019/6/13、横浜市神奈川区、Borg 71FL+マルチフラットナー1.08×DG、フィルター : IDAS LPS-D1、カメラ : ZWO ASI 294MC Pro ; Gain 12060X30枚、ディザリングあり(RAのみ)、赤道儀 : EQM-35 ProASCOM+EQMOD)、オートガイダー : QHY CCD QHY5L-IIM+ミニ・ガイドスコープセット、半分程度にクロップ)

これから


画像処理はいい加減で色が奇妙ですが、光害地で月明かりの中ですし、現状では満足しています。EQM-35 Proのオートガイドの、元に戻らないようなハンチングをなくすことと、左辺と上辺の乱れが、SSDのコンポジットのせいか、ソフトビニング・スターシャープ・ぼかしを使った「セルフフラット」のせいなのかを調べることが課題になりました。ハンチングはドリフトアライメントをもっと丁寧にやるしかないと思いますが、周辺部の画像の乱れは、気にしなくてよいのでしょうか(AstroBackyardTrevorさんは周辺は切り取ればよいと言っていますが・・・)

※追記(2019/8/29)


PixInsightを使うようになり、SI8もFlatAide Proも使わなくてすみそうですで、周辺部の画像の乱れは問題ではなくなりました

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