カメラの回転角度・PixInsightのアンプグロー
カメラの回転角度はAstro Photography
Tool(APT)のポイントクラフトでSHOWボタンを押せば、ステラリウムに撮影枠が表示されるということは、前回書いた通りです。しかし試してみると、ステラリウムでプラグインの設定をしなければならないことが分かりました。
ASI 294 MCで撮影した画像は、PixInsightのバッチ処理プロセス(Weighted Batch Preprocessing)を使って、キャリブレーションからインテグレーションまでを自動実行していました。しかし、最近は露出時間を300秒と長くしたためか、画面の右上にアンプグローがかすかですがはっきりと見えるようになりました。これは何とかしなければなりません。
カメラの回転角度
APTでプレートソルブして、SHOWボタンを押しても、ステラリウムには何も表示されません。APTをよく見るとエラーメッセージが出ています。
Connecting to Stellarium problem (5)
APTのフォーラムで調べると、ステラリウムのプラグイン「リモートコントロール」の設定が必要だとのことでした。「起動時に実行」をチェックし、ステラリウムを再起動します。リモートコントロールの設定ウィンドウで、次のように上の二つをチェックします。
これでAPTでSHOWボタンを押すと、ステラリウムに枠が表示されますので、回転装置を回して調整します。
M42を中心にして、縦画面にしてみました。これくらい赤経赤緯軸に合っていれば、合成したときの画面の損失はかなり減るのではないかと思います。
PixInsightのアンプグロー
上で撮影したM42の画像(300秒X24枚)をコンポジットし、Dynamic
Background Extractionをしただけの画像です。
全体ではそう目立たないのですが、右上を拡大すると放射状のアンプグローが残っているのが分かります。
これは、次のマスターダークファイルのアンプグローと一致します。
ダーク減算をしていれば、完全に消えるはずで。多少でも残ってしまうというのは変です。何とかしなければなりません。
DeepSkyStackerのコンポジット
試しにDeepSkyStacker(DSS)を使って、同じバイアス、ダーク、フラットでコンポジットしたのが次の画像です。
アンプグローは完全に消えています。しかしDSSの画像は、PixInsightでうまくカラーキャリブレーションができませんし(なぜかはよく分かりません)、せっかく購入したPixInsightを、何とか使いこなしたいという思いから、ネットで調べてみることにしました。
ダークのOptimize
PixInsightとCloudy
Nightsのフォーラムに多くの投稿があり、マスターダークでキャリブレーションするときに、Optimizeのチェックを外すとよいということが分かりました。後でバッチ処理でこの指定があることに気づきましたが、このときは分からずに、手動でやることになりました。
ここで、蒼月城さんのYouTube動画(Preprocessing In PixInsight Part 2)を、メモを取りながら視聴し、ライト画像のインテグレーションを手動で実行してみました。大変そうでこれまで敬遠していましたが、やってみると意外に簡単でした(蒼月城さんにはお世話になっています。ありがとうございました)。
バイアス、ダーク、フラットのマスターを作り、ライト画像は次のステップでコンポジットします。
① キャリブレーション(Image Calibration)
② ホットピクセル除去(Cosmetic Correction)
③ 現像(Debayer)
④ レジストレショーン(Star Alighnment)
⑤ インテグレーション(Image Integration)
①のステップで、Mater
Darkの下にある、Optimizeのチェックを外します。
これで⑤まで実行したものが次の画像です。
DeepSkyStackerと同じように、アンプグローが完全に消えています。なお、色具合が変ですが、これはカラーキャリブレーションをする前の画像だからです。
バッチ処理のダークのOptimize
バッチ処理のダークのOptimize
ここまで書いてきて、バッチ処理の設定で、"Optimize dark frames"のボタンがあることに気づきました。
上のように、右下のチェックを外すだけで良かったのです。何とも間抜けな話ですが、初心者の悲しさで、仕方がありません。
上のように、右下のチェックを外すだけで良かったのです。何とも間抜けな話ですが、初心者の悲しさで、仕方がありません。
これから
アンプグローのせいで、多くの時間を費やしましたが、おかげで画像処理の仕組みや、PinInsightの知識が多少増えました。
これからは、少しでも時間があれば、同じ構図の画像を撮りためて露出時間を増やし、現在の環境で、どの程度の画像が得られるのかを見極めたいと思います。
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