NINAを使う


PHD2のドリフトアライメントに代わる、楽な極軸合わせを探していて、ステラショット2の「スーパーポーラーアライメント」が見つかりました。おそらく、プレートソルブを使って誤差を検出するのではないでしょうか。同じようなものは海外にもあるはず(むしろそっちが先なはず)と考えて検索すると、NINAまたはN.I.N.A.NIGHTTIME IMAGING 'N' ASTRONOMY)が見つかりました。

「南風」さんのブログ「南風がなんか言ってました」で日本語化されていることを知り、次のサイトからNightly Builds64ビット版をダウンロードしました。オープンソースですので、完全に無料です。ただし、Windowsだけにしか対応していません。
         https://nighttime-imaging.eu/download/

結局、極軸合わせは使えなかったのですが、これは今使っているAstro Photography ToolAPT)を超えるような、優れたソフトではないかと思えるようになりました。

極軸合わせのために望遠鏡を水平にする必要がある

次の画面の、左の「撮像」タブを選び、画面中央下にある「極軸合わせ」タブをクリックします。「高度測定」「方位角測定」の順に進んでいきます。

「望遠鏡を、東か西の、赤緯0付近で地平線に向けて下さい」という説明が出ていますが、これでは何も見えないので少し上の星が見えている場所に望遠鏡を向けて「高度エラー測定」を押します。そうすると自動的にプレートソルブして、ぴったり赤緯0度に修正してしまいます。これでは隣の家の屋根しか見えず、ここで諦めました。

スカイアトラス

APTでできることは全てNINAでできますが、それ以上に優れた点が多くあるようです。次は、目標とする天体を探すときに参考になるスカイアトラスです。このデータを表示させるには、上のサイトからSky Atlas Image Repository 1GB)をダウンロードしてインストールしておきます。

これは星座を指定した場合ですが、そこにある天体を、写真とともに現在の高度・方位角の情報付きで表示してくれます。他にも、天体の種類を指定して検索することもできます。これは便利です。

ピント合わせ

現在の手順は、最初にステラリウムで明るい天体を導入し、SharpCapでガイドカメラに接続し、そこでプレートソルブを行って写野の中央に持ってきて、赤道儀と同期します(ファインダーを使わないで行う、SynScanのアライメントの代用です)。その後APTに移って、ピント合わせを行い、プレートソルブをしてプラネタリウムに写野を表示させ、回転角度を調整しています。

APTのピント合わせの問題は、ライブビューを自由にズームできない点です。虫眼鏡ツールを使って拡大できるだけで、見にくいことこの上ないのです。ライブビュー画面が真っ暗になることもしょっちゅうでした。また、PointCraftによるプレートソルブも、1回目はうまく行っても2回目以降は終わらなくなることもよくありました。

NINAですと、無限段階でズームできますので(SharpCapと同じですが)、はるかにピント合わせが楽になりました。プレートソルブもあっという間に終わり、写野の中央への移動もすぐに終わります。ただし、プレートソルブはASTAPを使っていますので、そのせいかもしれません。APTでもASTAPが使えるようになりましたので、もしかしたら高速化されているかもしれません。

プラネタリウムとの連携がおかしい

写野を確認するのは「フレーミング」タブで行えるようです。ステラリウムの座標をここで取得して、写野を表示するはずです。これはインターネット(NASAスカイサーベイ)から取得した写真を表示させています。

また、NINAのデータベースを使うこともできます。しかし、ステラリウムで別の場所に移動しても、いつも同じ座標(従って同じ画像)しか表示されません。これがCartes du Ciel(CdC)ですと、即座に座標がNINAに反映されます。どうしてなのか、よく分かりません。

NINAで撮影

カメラの回転角度の確認がうまくできなかったため、対象を中心にしただけで試しにM12を撮影してみました。フラットとフラットダークの撮影も、フラットウィザードを使って、うまくできるようになりました。APTと違い、最小・最大露出時間、ヒストグラムのターゲットを指定して適切な露出時間を見つけてくれます(71FL+レデューサー、294 MC Pro、総露出時間80分)。


これから

まだ完全にNINAを使いこなせてはいませんが、その能力は極めて高いように思われます。なによりインターフェースがわかりやすく、カスタマイズの自由度も極めて高いようです。APTがどうもわかりにくいのは、古いしがらみを引きずっているのかもしれません。その点新しいNINAは、当初から最新のテクノロジーに合わせて設計できているのではないでしょうか。

これからの撮影はNINAを中心にしていきます。プラネタリウムソフトはCdCとステラリウムとの二本立てで使っていき、最終的にどちらにするか決定しようと思います。

※追記(2020/4/28)

ステラリウムのバージョンを0.19.0から0.20.1にアップデートしたら、座標がすぐにNINAに移せるようになりました。ただしAPTのような、プレートソルブ後にShowボタンを押して、画面枠を表示させる機能はないようです。NINAではフレーミングタブで全て処理するようですが、まだNINAに慣れておらず、プラネタリウムソフトで画面を確認したいので、Cartes du Cielも試してみようと思っています。

なお、バージョン0.20.1の説明書を読んでいたら、もうステラリウムスコープが必要ではないことも分かりました。ステラリウムの望遠鏡制御から直接ASCOMに接続できます。これは待ち望んでいたことでした。スコープはアンインストールしました。

コメント

  1. こんにちわ、プラネタリウムソフトとの連携はどちらも望遠鏡に接続してありSyncできるようになっていればNINAでもAPTでもターゲットにシンクロした時点でプラネタリウムソフトは望遠鏡の座標にマークされるはずです。CDCであればファインダーレチクルの設定をすれば出ると思います。ご確認ください。

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  2. 申し訳ありませんでした。コメントの扱いがわかっておらず、3年も経ってしまいました。アドバイスありがとうございました。また南風さんのブログをいつも拝見しております。重ねてお詫びいたします。

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