初めてのRGB撮影・三脚の開き止め(再)

ようやくZWO ASI 183MMを使ったRGB撮影の機会が訪れました。とはいっても狙っていたM16M17は、11時過ぎにはベランダから見えなくなってしまいます。1日で取れる時間は2時間位しかありませんので、3日に渡っての撮影でした。

三脚の開き止めを自作したことは以前に書いたのですが、うまくいきませんでした。結局開き止めにかかる張力を調整できないので、毎回ドリフトアラインメントにかなりの時間を費やしていました。三脚スプレッダー(S-SP)なるものを試しに購入したところ、これが思いの外うまくいきました。


L画像はどうも品質が良くないような気がする

光害地のため、Borg 71FLのレデューサーにIDAS LPS-D1フィルターを取り付けた上で、M16のLRGBを撮影しました。L画像は60秒で30枚撮影したものです。

一方、R画像は120秒で25枚ですが、星雲をよく捉えていて、星像も締まっているように思えます。

L画像は、撮影時間を長くして枚数を増やせばよいのかもしれませんが、今回はLを使わずに、RGBをインテグレーションして疑似L画像を作ることにしました。実はInside PixInsightに、RGBだけの方が良い結果が得られる(場合がある)という記述があったのです。ネットで調べると、賛否両論があるようです。色収差があるような望遠鏡では、RGBだけの方が収差を抑えられるということでしょうか?

RGB合成

いずれにしろ、ZWO ASI 294MCで苦労した背景の均一化が、183MMではほとんど問題になりませんでした。これは精神的に楽です。G画像では、多少のムラがありましたが、2回DBEを適用すればわからなくなりました。

最後に、Denoise AIで軽くノイズリダクションをしていますが、等倍に拡大しても結構きれいに見えます。RGBの総撮影時間は140分です。仕上げは、星雲の彩度を上げ、背景の明度を少し下げ、星像を多少縮小するだけでした。

去年の294MCとの比較

294MC70分)の撮影では、かなり強調して背景を暗くしなければなりませんでした。同じ大きさに拡大してみると、一見するとコントラストが高くて良さそうですが、淡い星は消え、OSCなので当たり前ですが解像度が劣り、ノイズが乗っています(撮影時間も半分ですが)。


三脚の開き止め

赤道儀のAZ EQ5 GT付属の三脚は、安定しているので、ベランダに印を付けて置くだけで、ドリフトアラインメントは楽でした。しかし、重いことと、いつも開き止めを付けた状態にしておいたので、足が広がっていてベランダへ出すのが一苦労でした。

そこでサイトロンカーボン三脚(SCT-53/AD-SW)にしたのです。極めて軽いことと、開き止めがなく三脚をすぼめられますので、出し入れが楽になりました。しかし、チェーンを使った自作の開き止めは安定せずに、失敗でした。

ネットで調べているうちに、「三脚スプレッダー(S-SP)」というのがあることに気づきました。赤道儀の三脚の開き止めに使っているサイトはありませんでしたが、1,2000円前後ですので試しに購入しました。


三角形の先端部分に、長さを調整できるアジャスターが付いています。これをベランダに置いて、テープでマーキングします。このスプレッダーをテープに合わせてセットし、赤道儀を乗せた三脚を置くだけです。ほとんどの場合、高度・方位角とも、一回の微調整で、ドリフトアラインメントが終了するようになりました。

これから

RGB撮影では、71FL+レデューサーの比較的明るい光学系であれば、1回の撮影時間が2分ほどでも大丈夫ですし、背景むらが少ないかほとんどないことが分かりました。これですと、AZ-GTi(赤道儀)でも十分に使えそうな予感がします。いよいよ本格的に公園にでかけて撮影できそうです。ベランダでは、ナローバンド撮影に専念することになりそうです。

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