レーザー光の傾き補正失敗とε-130Dのコリメーション調整
ネジ頭が埋め込まれているZWOのチルターが届いたので、レーザーポインターで傾きを補正したのですが、実際の画像はかなり傾いていました。
ピントを外した星像が、完全な同心円になっていないことに気づき、ε-130Dのコリメーション調整をしてみました。
ZWOのチルターとレーザーポインターによる傾き補正
AliExpressに注文したものが届きました。これですと、夜でも六角レンチを使った調整が楽にできそうです。
これで事前に傾き補正を行いました。レーザーコリメーターは出力が小さいので見にくく、結局最初のレーザーポインターを使いました。押入れの天袋にポインターを差し込むだけの簡単な方法ですが、結構うまくいくようです。
撮影した映像は傾いていた
しかし5月3日に撮影したM5をASTAPで調べると、画像が傾いていることを示しています。
ASTAPの画像は上下反転していますので、この場合はセンサーの下側に当たるチルターの隙間を縮めなければなりませんが、調整がうまく行っているはずだという思い込みからそのまま撮影を続けました。次はR画像(54分)です。
PixInsightでFWHMを測定すると、次のように下側のFWHMが大きくなっており、上のASTAPの測定結果と一致しています。傾き補正がうまく行かなかったことが分かります。
レーザーポインターによる傾き補正をやり直してみました。そこで気づいたのが、どうもフィルターを付けたまま補正していたのではということです。最初がフィルターを付けた状態、次がフィルターを外した状態ですが、反射光の形が違います。フィルターを付けた状態ではセンサーの反射光がどれかよく分かりませんでしたので、一番下のもので調整しました。
フィルターのないものでは、よっちゃんさんのビデオで学んだ方法で、センサーの反射光を特定できました。この状態で調整したチルターで、今度チェックしてみたいと思います。
傾いていても星像は丸くなる
上の画像のeccentricityを調べると、ほぼ完全に丸くなっていました。平均偏心度は、0.29でした。
どうもよく分かりませんが、このときはドリフトアラインメント後に、ホームポジションに戻し、再度位置合わせをしました。目盛り環で5mmほどずれていましたので、この調整によって鏡筒の回転が抑えられたということでしょうか。
レーザーコリメーターのコリメーション
レーザーポインターによるコリメーションは、3分ほどで終わりますが、どうも信頼性に欠けるような気がして(センタリングチューブとアイピースの結果と合わない)、まずはレーザーコリメーターのコリメーション調整をしてみました。次のビデオを参考にしました。
https://appliedinnotech.com/best-laser-collimator-is-a-laser-better-than-a-cheshire-eyepiece/
英語を聞くのは大変ですが、YouTubeはスクリプトを出せますので、これがあればなんとか理解できます。これを見て、やはりAliExpressで買ったレーザーコリメーターを調整しました。6m先で直径15cmほど回転していたポイントを1cmほどに修正できました。
しかし、このレーザーコリメーターで調整した鏡筒を、タカハシの調整アイピースで覗いてみると、わずかにずれています。今度は、目視で修正した鏡筒をレーザーコリメーターでチェックすると、レーザー光が主鏡のセンターマークの中央を照らしていません。どうもよく分かりません。
人工星像を使ったコリメーションは失敗
そのため、以前Borg 71FL傾きチェックでうまくいった、人工星像を使ってみようと思いました。ε-130Dのピントは室内では合いませんが、かえってそれでうまくいくのではと考えました。
まずは、6メートル先のドアに人工星像を取り付けましたが、あまりにピントがずれていて何があるのかさえ分かりませんでした。そのため、ドアに鏡を取り付けて、距離を13メートルほどにしてみましたが、それでもピントが近くにさえ来ません。次は、鏡に写ったベランダの物干しがかすかに分かる状態です。まだまだ距離が足りないようです。
コリメーション調整の結果は、実際の星像で確認していき、経験を積んでいくしかなさそうです。
これから
最近LRGBとRGBについてのCloudy Nightsの投稿を、よく読んでいます。「L画像がコントラストを高め、ノイズを削減する」わけではない、L画像に多くの時間を割いているためにそのような結果になるのだということです。その分RGBに時間を掛けた方が良いという意見が多くなっているような気がします。L画像はRGBの色を弱めるという欠点もあるようです。M5はRGBだけで処理してみようと思います。
N.I.N.A.でフラットをまとめて撮影するとき、フィルターごとに焦点距離をどのように調整するのか謎でしたが、フィルターのオフセットを測定しておけば、自動で調整してくれることが分かりました。実際の撮影ではオフセット値を使わずに、けっこう頻繁にオートフォーカスしている人が多いようですが、フラットの撮影には便利そうです。
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