ε-130Dのコリメーション調整

撮影の機会がないので、星像改善のために、いろいろと調べてみました。次のCollimating the Takahasi Epsilon 130Dという海外のサイトが参考になりました。

https://www.astrobin.com/forum/c/astrophotography/equipment/collimating-the-takahasi-epsilon-130d/

一つのコーナーだけ星像が流れるという同じ症状の人がいることが分かりました。また、フォーカサーを回転させるとコリメーションが狂うこと、実際のピンボケ星像で、コリメーション調整がうまく出来ないことなどが書いてありました。確認のため、現状をまとめてスターベース東京さんに送り、アドバイスを求めました。そうすると、これらの症状がε-130Dで間違いなく起きることが分かりました。他にもいろいろと、初心者もに詳しく説明していただき、有意義な知識が得られました。ありがとうございました。

周辺の星像の流れは複合的な要因で

いただいたアドバイスは、①コリメーションの調整不足か、主鏡のねじれによるチルトが起きている、②バックフォーカスが合っていない、③ピントが合っていない、という複合的な要因で起きているというものです。

ピントは、低緯度の天体で狂うことが多いとのこと。高緯度の天体でピントを合わせてから、目的の天体に向ければ良いとのことです。また、オートフォーカサーを動かすときに、ロックネジは緩めておきますが、これによって多少のズレが起きる可能性があるとのことです。ロックネジは、遊びが出ない程度で、オートフォーカサーが動く程度に締めておくという解決策があるとのことです。実際にこれが可能であることは確認しましたので、後は実戦で試してみたいと思います。

バックフォーカスについては、フィルターとセンサー前の保護ガラスの二つを計算に入れ、思い切って規定より1.4mm長くすることから始めてみようと思います。

これらは、実際に撮影してみないとどうにも結果は分かりません。それまでに、撮影前にできることは、コリメーション調整を再度確認するだと思いました。

フォーカサーは回転させない

取扱説明書にもフォーカサーを回転させると、斜鏡マークが移動することが書いてありましたので、それほど気にしなくても良いのかと思っていましたが、実際には影響があるようです。いただいたアドバイスは、ε-130Dのフォーカサーはコリメーション調整した状態で固定させておき、別の方法でカメラを回転させるというものでした。そのため、次のASTROLABE M42回転装置を購入しました。

小さいものですが、がたつきもなくスムーズに回転しますので、うまくいきそうです。

回転装置は固定したままで、センタリングアイピースとレーザーコリメーターを何度も交換しながら調整しました。

主鏡マークの幅が広く、中央の斜鏡マークとの境目がはっきりと分からないのですが、スターベースさんで確認いただいたところ、これで大丈夫だとのことでした。この後鏡筒を色々と動かしましたが、主鏡はずれないようでした。ただし、締め過ぎて、主鏡を歪ませているかどうかは、撮影して確認するしかありません。

OAGは取りやめ

上のM42回転装置に加えて、M42チルトアジャスターを取り付けましたので、OAGを入れるバックフォーカスはなくなりました。諦めるしかありません。GT-40ガイドスコープを取り付けたことでドリフトが起きたのですが、GT-40は鏡筒リングに付けたために、リングと鏡筒にずれが生じたことが原因と考えられるようです。

そのため、ガイドスコープはOAGミニスコープにし、鏡筒のファインダー台座に取り付ける状態に戻そうと思います。焦点距離が短く、主鏡とガイダーのピクセルスケールの差が大きくなり過ぎるような気がしますが、試してみるしかありません。

これから

ε-130Dは、斜鏡の位置が中心からずれているため、ピンボケ星像は同心円にはならないとのことです。ピンボケ星像で主鏡を調整した翌日、コリメーションをチェックすると大幅にずれていたことが、これで分かりました。

撮影時のコリメーションをチェックするのに、もしかしたら、トライバーティノフマスクが使えるかもしれません。次はAstroStreetの「新型 高感度 トライバーティノフマスク Tri-Bahtinov 光軸調整」です。

これも、確認してみようと思います。晴れてくれれば色々とやることがあります。


※追記(2021/9/17)

昨日雲の切れ目から、木星をトライバーティノフマスクを付けて撮影してみました。おおむね光軸は合っていそうです。また、1等星で確認すれば光条はもっと細くなり、しっかり確認できそうな気がします。

ASTROLABE M42回転装置のネジは、ネジ頭が8mmと小さく締めにくいため、パソコン用のM3ローレットネジ(10mm)に変更しました。

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