ようやく星が丸くなる

この1年近く、周辺の星像の歪みをどうにかしたいと思い、いろいろと試行錯誤してきましたが、昨日の撮影でなんとか満足できるレベルになりました。ε130D・ZWO ASI 183MM・OIIIフィルターで撮影したすばるです。



PixInsightFWHMEccentricityでも、平均偏心度が0.356となっており、これを裏付けています。

なぜうまくいったのか

前回と異なるのは、バックフォーカスを0.3mm伸ばして、58.15mmにしたことでしょうか。コマコレクター以降は次のようになります。

         M52-M42アダプター: 2mm
        
スペーサー: 0.3 mm
         M42
回転装置: 13.65 mm
        
スペーサー: 1mm
        
チルトアジャスター: 11.2 mm
        
スペーサー: 1 mm
         M42
オスオスアダプター: 2 mm
         EFW : 20 mm
        
スペーサー: 0.5 mm
         ASI 183MM: 6.5 mm

うまいM42延長筒がないため、スペーサーだらけになってしまいました。スペーサーは岩田製作所さんのものです。

これまでは、ε130Dのバックフォーカス56.2mmに、フィルター厚2mm1/3である0.7mmを加えた、57mm前後で試行錯誤していました。しかし、これが間違った思い込みだったようです。もっと広げて試すべきでした。

他にも、ε130Dの回転装置を固定して、調整したコリメーションがずれないようにしたこと、オートフォーカス実行時でもフォーカサーを軽くロックしておいて遊びをなくしたことも、問題の所在を明確に出来た点で、大きな解決要因になったと思います。

赤道儀のコーンエラー

ε130Dだけでなく、Borg 71FLでも同じような周辺の星像の問題が起きています。そのため、赤道儀の方に問題があるのではと考え、水平を厳密に取ったり、RADEC回転軸の遊びをなくしたり、ケーブルのひっかかりをなくしたりと、いろいろ試しましたが、問題は解決しませんでした。ついには、コーンエラーを疑い、ConeSharpで測定してみました。その結果、エラーは23分角であることが分かりました。

ConeSharpのサイトでは、12度を超える場合は修正が必要とのことでしたので、問題はないといえます。

視野の中心の左にある星が中心に来るように、コーンエラーを修正するよう指示が出ますが、アリミゾに調整用ネジがないために、これ以上なんともしようがありません。何より、コーンエラーは導入の正確さだけに影響するのであり、追尾には影響しないとのことですので、これで終わりにします。

まだ完璧ではない

上で書いたようにまだ左下の星像が完璧ではありません。次のように左下の偏心度が4.2を超えていることからもそれが分かります。

これは、おそらくスケアリングの問題だと思います。チルトアジャスターを使って、これから調整していこうと思います。

これから

ε130Dの方はわずかな調整で済みそうな予感がしますが、Borg 71FLの方はまだこれからです。前回投稿したBorg 71FLのプレアデスの偏心度グラフは次のようになっています。

赤道儀の問題ではないことが明らかになりましたので、まずはバックフォーカスを調整し、その後でスケアリングの調整をしていこうと思います。


※追記(2021/10/16)

その後何度か撮影していて、M42回転装置を動かすと画像の片側の星が流れることがわかりました。回転装置のがたつきが影響しているようです。そのため、カメラの回転角度をほぼ0度にして固定し、その状態でレーザーコリメーターによるチルト(スケアリング)調整をすることにしました。実際の撮影では、微妙なカメラの回転角度の調整は、M42回転装置は使わないで、130Dのフォーカサーを少し回転させることにしました。


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