PixInsightのRGB分離の効果
新しいPixInsightで、OSC画像をディベイヤーするときにRGBに分離できるようになり、その後色収差を補正しながらアラインメントできようになりました。Borg 71FLとレデューサーの色収差をどの程度改善できるかどうか試してみました。
また、新しく購入したZWO ASI 533MC Proとの組み合わせですと、多少アンダーサンプリングになりますので、ドリズルインテグレーションも効果的かもしれないと思い、使ってみました。
撮影したのは次のすばるです。ZWO ASI 533MC Proの約3,000X3,000ピクセルが、2倍にドリズルして約6,000X6,000ピクセルになっています。
なお、9月28日の月が昇るときでしたので、空が明るくかなりノイズが乗っています。ガイドの乱れもありますし、また周辺部の星像が流れる現象も残っていまので、星像はまだ丸くはなっていません。ただ、短時間の割にはまあまあ写っていて、533MCは良さそうです。
DebayerでRGB分離
次のように、キャリブレーションとホット・クールピクセル除去したファイルに対してデベイヤーするとき、Output ModeでSeparate RGB channelsを指定します。
さらに、SubframeSelectorで重み付けし、LocalNormalizationで背景のむらを取り除き、インテグレーションします。これをRGB別々に行いますので、モノクロカメラと同じように面倒になります。インテグレーションすると、ドリズルの情報ファイル(.xdrz)が更新されますので、この後で次のドリズルインテグレーションを行います。
デフォルトでは、Drop shrinkが0.9でしたが、奇妙な三角形などの模様が出るようになりました。ネットではこの値を低くすれば良いという投稿もありましたが、かえってひどくなり、上のように1.0に増やすことで解決しました。どうしてこうなるかは、わかりません。
色収差の比較
左から①RGB分離なし、②RGB分離、③RGB分離+ドリズル、を比較してみました。いずれも、背景ムラを除いた後にSTFでストレッチしただけのもので、4倍に拡大した左上の星像です。
RGB分離しないもの(左)は、赤が左・青が右に分離しています。RGB分離したものは(中央)は、それがかなり抑えられています。ドリズル(右)は、星像がなめらかになっています。
さらに、10倍に拡大して上の画像の左下の星を見てみると、いっそうわかりやすくなると思います。
かなりの改善効果があるように思います。
これから
色収差の大きいBorg 71FLをやめて、評判の良いAskar
ACL200にしようかと思っていましたが、まだしばらくはBorgを使い続けようと思います。
PHD2のドリフトアラインメントによる極軸合わせは時間がかかるため、N.I.N.Aの「方位角エラー測定」「高度エラー測定」を使ってみましたが、信頼性に問題があるようで、PHD2に戻していました。しかし、Cuivさんのビデオで、N.I.N.AにThree Point Polar Alignmentというプラグインが作られたことが分かりました。SharpCapの極軸合わせと同じような操作法で、しかも北極星が見えない南側のベランでも使え、信頼性も高そうです。
次の晴れた夜には、まずこれを試してみて、PHD2のドリフトアラインメントで検証しようと思います。
コメント
コメントを投稿
コメントはこちら