撮影開始と終了処理の自動化

撮影を始めるときの、機器の接続・カメラの冷却・プレートソルブと同期・極軸合わせなどは頭に入っているはずですが、年を取ると忘れっぽくなるため、できるだけ自動化してみました。また終了するときは、機器を接続し、アプリケーションも起動したまま、無理やり別のソフトでシャットダウンしていました。これですと、機器の故障の原因にもなりかねませんし、電源を切って良い時間を計算するのが面倒でした。

撮影ソフトN.I.N.A.には、標準では機器の接続・切断の命令はありません。しかし、N.I.N.A.制作者のStefen BergさんがConnectorプラグインを作ってくれていました。今回はこれと、外部コマンドを実行する命令を使ってみることにします。


撮影開始時

N.I.N.A.で撮影を始めるときは、次の手順で手動で行っていました。
1.
機器の接続と赤道儀のパーク解除
2.
カメラの冷却
3.
赤緯0度で子午線近くに鏡筒を導入
4.
ピント合わせ
5.
プレートソルブと同期
6. Three Star Polar Alignment
で極軸合わせ
7.
再度赤緯0度で子午線近くに鏡筒を導入し、PHD2でドリフトアラインメント(方位の
わずかなアラインメント誤差を修正)
8. プレートソルブして、鏡筒の回転角度を0度または180度に調整
9. 撮影に使うフィルターでピント合わせ
10. 鏡筒を天頂に向けてフラットを撮影

6の最後で行う、方位と高度の調整までは自動化できることになります。次の図の最初にある"Connect All Equipment"が、Connectorプラグインで追加された命令です。


2.のカメラの冷却は、それ以降のプロセスと並行で行うことができますので、「並列命令セット」と「順次命令セット」は次のように入れ子にします。

         <並列命令セット>
        
・カメラ冷却
         <
順次命令セット>
                 
・子午線への導入と中心合わせ
                 
・オートフォーカス
                 
・曲軸合わせ(Three Point Polar Alignment)

撮影終了時

ここでも同様に、カメラの昇温と望遠鏡のパークは並行して行うことができます。その後でやはりConnectorプラグインで追加された、Disconnect All Equipmentを使います。


アプリケーションの停止とパソコンの電源切断は、上の最後にある外部スクリプトで行います。そのために次のバッチファイルを作っておきます。


PHD2、GSServerを終了してから、パソコンの電源切断命令を出し、最後にN.I.N.A.を終了させます。

これから

終了シーケンスの動作は確認していますが、撮影開始シーケンスはまだ完全にはチェックしていません。今夜か明日には試してみます。


※追記(2022/1/20)

撮影開始シーケンスが、このままでしっかりと動いてくれました。


※追記(2022/1/21)

開始処理の「導入と中心合わせ」は赤経と赤緯で導入先を指定していましたので、撮影時期と時間によって場所が違ってしまいました。次のように「高度/方位角に移動」と「プレートソルブと同期」を使う必要がありました。




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