ガイドエラーは劇的に改善も・・・
AZ-EQ5 GTのガイドエラーが大きいことがどうも気になっていました。載せているe-130Dが重いためかと思いましたが、軽いFRA400でも同じようなものです。次は典型的なガイドグラフです。
RMSが1分角より小さいので良しとしても、DECとRAの差が2倍近くあります。これまでにやったのはギアのかみ合わせを調整し、遊びをなくしたことですが、それほど改善したわけではありません。
RAのギア同士が平行になっていない!
もう一度良く調べてみると、RA側のモーター側のギアが大きく傾いていることに気づきました。なんども噛み合わせをいじっているうちに、左右のバランスが崩れたようです。次は調整後のものですが、まだ多少は上のギア部が左に多少傾いています。当面はこれで良しとしました。もっと早く気づくべきでした!
この状態でe-130Dを載せたガイドグラフは、これまで見たことがないほどフラットになっています。ガイド鏡はZWO ミニスコープ(焦点距離120mm)、カメラはZWO ASI 290MMです。RMSはDECが0.15程度、RAが0.3程度と、初めて目にする低い数値です。
思い切り星が流れる
これは星像も安定するはずと思いこんで撮影したのですが、どの場所の星もひどく流れています。PixInsightで測った偏芯度も、全ての場所で0.6を超えています。
RAとDECのガイドエラーには、2倍ほどの差があります。もしこれがそのまま画像に反映するならば、星像は横に流れるはずです。しかし、星の流れ具合は一様ではないので、ガイドエラーに起因するとは考えにくいのではないでしょうか。なお、画像間でのドリフトは起きていませんでした。
e-130Dのフォーカサーの遊びか
Cloudy Nightsの関連記事を読むと、いつも挙げられるのはガイド鏡と主鏡とのたわみで、OAGで解決するというものです。しかし、冷却用ファンによってカメラが振動するためではないかという意見もありました。たしかにe-130Dのフォーカサーには遊びがありますが、ネジを締めて固定するとオートフォーカスができなくなりますので、普段はある程度緩めています。そこで翌日、フォーカサーのネジを締めて撮影してみました。結果は同じようなものでした。
OAGにしてみる
すぐにガイド鏡を外し、ZWO OAGに付け替えます。ヘリカルフォーカサーを載せていますので、カメラは120MM miniにします。カメラの感度があまり良くないためか、PHD2の調整不足のためか、ガイドエラーは以前のように大きくなります。
これから
OAGのままでバックフォーカスを調整し、周辺部の星像を改善していくか、ガイドカメラに戻して、他の方策を探っていくか思案中です。
ガイド鏡とOAGによる画像では、中心部を除いて周辺部の星像の乱れはほとんど同じです。e-130Dの光軸は撮影前後でチェックしており、問題ありません。そうするとカメラのスケアリングの問題も絡み合っているのかもしれません。なかなか奥が深いですね。
※2022/2/2 追記
昨日もう一度撮影して検証してみました。その前に機材を再度チェックし、次の調整を行いました。
(1) e-130Dのコマコレクターが締めすぎて外れなくなっていたものを、ドライヤーで枠を暖めて何とか外す。これによって、バックフォーカスが短くなっていた!もしかしたらレンズが歪んでいた可能性も?
(2) レーザーコリメーターで光軸をチェックしたら、結構ずれていた。斜鏡・主鏡とも調整して、センタリングアイピースでも確認した。両方でチェックする必要がありそう。
まずは、ガイド鏡を付けて撮影したものです。周辺部で放射状になっていた星像が、ほぼ一様に横に流れています。コマコレクターの締めすぎが、バックフォーカスに影響していたようです。
ここでOAGに切り替えて撮影したNGC2467です。ほぼ全ての星像が丸くなっています。そうすると、横長の星像についてはCloudy Nightsのフォーラムの結論が正しい、つまりガイド鏡と主鏡とのたわみが原因と考えて間違いないようです。
以前は、OAGにしてもガイドが安定しないことから、ガイド鏡に戻していました。今回もなんとか撮影はできますが、PHD2の星のプロファイルは、次のように多角形になっています。
ピント合わせをしようにも、マンションの2階では遠くが見えないために、明るいうちにはどうしようもありません。そのため、N.I.N.A.でガイドカメラに接続して、なんとかシリウスを中心に導入しました。トライバーティノフマスクの一部を使い、ピント合わせができたように思います。
昨日はここまででしたが、これからはOAGをメインにして、安定したガイドができるように工夫してみたいと思います。
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