CPU交換で画像処理時間が30%に
年明けにCPUを交換しようと思っていたのですが、候補のCore i7 12700の価格が上がっていること、合わせて買おうと思っていたマザーとのセットがツクモネットショップにあったこと、年末年始がひまなことから、急遽68,980円で購入しました。
現在の第8世代CPUである、Core i5 8400と比較すると、スレッド数が3倍以上になっています。これがどのように影響するか調べてみました。
・Core i5 8400(6コア6スレッド)
・Core i7 12700(12コア20スレッド)
1260枚の画像処理時間
おたまじゃくし星雲を撮影した420枚のfits画像を、PixInsightのWBPPを使って、ディベイヤーして1260枚のRGB画像に分離し、RGB別にレジストレーション、ローカルノーマライゼーション、インテグレーションをします。
撮影カメラはZWO ASI 533MC(約900万画素)ですので、fitsファイルは17.2MBとそれほど大きくはありませんが、ディベイヤー後のxsifファイルは103MBと大きくなります。
CPU(とマザーボード)以外は、同じ条件です。メモリは64GBで、GPUはNVIDIA Geforce GTX1650、PixInsightの作業ドライブは、256GBのSSDに割り当てています(およそ半分を使います)。
Core i5 8400の処理時間を、WBPPのExecution Monitorとストップウォッチを使って測ってみました。なお、ダークはマスターを使いますし、フラットは毎回撮影後にインテグレーションしていますので、ダーク・フラットのインテグレーションはスキップされます。合計時間は5時間20分(320分)でした。
同じように、Core i7 12700のExecution Monitorは次のようになっており、処理時間は1時間33分(93分)でした。
Core i5の320分とCore i7の93分を比較すると、29%の処理時間で済んでいます。半分以下になるだろうとは思っていましたが、1/3以下になりました。単一スレッドの処理時間も短くなっているのでしょうが、スレッド数の比率がそのまま反映されているようにも思えます。
マルチモニターの設定で一苦労
モニターを3台使っていますので、BIOS設定でCPU内蔵のグラフィック機能を有効にする必要があります。しかし、ASUSのBIOS画面に、次のようなMulti-Monitorを有効にする選択肢が表示されなかったのです。
いろいろと調べてようやく、ブートドライブのBIOSモードがUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)にになっていないと、内蔵グラフィックが使えないように仕様が変更されたことが分かりました。
BIOSモードがレガシーになっていたため(Windows 11にアップグレードできない状態)、UEFIに変更する必要がありました。これもずいぶん時間をかけて、コマンドを使って変更できることが分かりました。参考にしたのは、https://www.billionwallet.com/windows10/mbr2gpt.htmlなどのサイトです。手順を覚書としてまとめておきます。
① 管理者権限でコマンドプロンプトに入る
「ファイル名を指定して実行」でcmd、Shift+Control+Enter
② 次のコマンドで変換可能な状態に変更
mbr2gpt /validate /disk:0
/allowFullOS
③ 次のコマンドでUEFIへ変換
mbr2gpt /convert /disk:0
/allowFullOS
④ ブートドライブのパーティションがGPTになっていることを確認
これで、BIOSでCPUのマルチモニター設定ができるようになりました。
これから
ビデオカードのアップグレード、SSDを256GBから512GBに換装、CPUとマザーの交換と、立て続けにパソコンを更新しました。これでしばらくは、PixInsightが快適に動きそうです。
RGB別に処理することで、周辺部の色収差を抑えることができていますが、BlurXTerminatorを使えば、星像が小さくなるだけでなく、周辺の星像の収差を減らして円形に近くなるようにしてくれます。RGBを一緒に処理しても問題がなくなるかもしれません。試してみようと思います。
※追記(2022/12/29)
RGBを分離しないでWBPPで処理してみました。しかし、ローカルノーマライゼーションやインテグレーションに時間がかかり、RGB別に処理した場合とほとんど同じ時間がかかりました。また、周辺像はRGB別処理の方が良好でした。どうも、これまでどおりのやり方を継続したほうが良さそうです。
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