都内からのクラゲ星雲とドリズルインテグレーション
正月からふたご座クラゲ星雲を撮りためていて、総撮影時間が15時間を超えましたので処理してみました。画角が狭くて構図が妙ですが、初めての撮影ですのでこれで良しとします。
撮影時間:2023年1月3日~1月12日の6日間で120秒X468枚=936分
撮影地:東京都足立区
鏡筒:Askar FRA 400
カメラ:ZWO ASI 533 MC Pro Gain:101 Offset:50 -10度冷却
赤道儀:ZWO AM5
オートガイダー:ZWO 30F4 ミニスコープ + ASI
290MM mini
フィルター:IDAS NBZ
オートフォーカサー:ZWO EAF
撮影PC:MeLe Quieter 3Q(Windows 11)+ Fire HD 8(TeamViewer)
撮影ソフト:N.I.N.A.+PHD2
画像処理:PixInsightのみ(SHO風処理)
ひどい撮影環境
南北は10階建て、東は6階建ての団地、西側は東京都心で明るくなっていますので、天頂付近を東から西へ動いている対象だけを撮影しなければなりません。この対象もその中から選んだのですが、次の写真のように南側の建物の端ギリギリを通っていきます。遮光フードをボール紙で長めに作ったのですが、建物の通路灯の光が入っていると思われます。
もともと淡い対象なのにこの光害では、あまり期待できそうもないと思ったのですが、寒い中なんとか頑張ってみました。
撮影時間による画像比較
今回は撮影するたびにインテグレーションして画像処理をしましたので、撮影時間に応じて画像がどのように変化するかを見てみました。
左:226分 中:590分 右:936分
解像感の乏しさとドリズル・インテグレーション
撮影時間とともに、星雲の構造ははっきりしていきますが、網状の構造は、時間に関わらずぼんやりしているように思えます。クラゲの上部を拡大した画像です。
そのため、2倍のドリズル・インテグレーションをしてみました。新しいWBPPではドリズル情報を作るだけでなく、自動的にインテグレーションまでやってくれます。
これでは分かりにくいので、先ほどと同じように画像を拡大してみます。明らかに解像度が上がっています。
FRA400鏡筒の分解能は1.6秒角ですので、センサーのピクセルスケールがこの半分の0.8秒角程度であれば、ちょうど良くなります。FRA400とASI 533MCのピクセルスケールは1.94秒角と、アンダーサンプリングになっています。2倍のドリズル・インテグレーションがぴったりなのかもしれません。これから
これまで何度かドリズル・インテグレーションを試したのですが、今回ほどの効果は見られませんでした。撮影枚数が多くなっていることが良かったのでしょうか。これまで撮影した画像も、ドリズルで再処理してみようと思います。
本当はこれくらいの時間をかければ、もっと解像度が高くなるのかと期待していましたが、光害のせいなのか、NBZフィルターのせいなのか、これがどうも限界のようです。もっと建物から離れた対象で比較してみますが、ハロが出ないとされ、通過帯域が6nmのAskar Colour Magicや、3nmのL-Ultimateも検討していみたいと思います。
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