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外で撮影するにはAZ-GTiか?

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ベランダからの撮影では、永遠に北から天頂近くの星は撮れません。かといって今の機器を持ち出す気にはなれません。 AstroBackyard の Trevor さんが、 iOptron の SkyGuider Pro に電子極軸望遠鏡を付ければ、オートガイドなしで、 200mm で 3 分以上の露出ができるとの記事をアップしているのに、またも心が動きました。 しかし、 SkyGuider Pro は一度手放してしまっています。もう一度同じものを買うのはしゃくですので、別のやり方を探してみることにしました。 Sky Adventurer はどうか SkyWatcher の Sky Adventurer は、 SkyGuider Pro よりがっしりしていて、使いやすそうです(スカイメモと同じものだと思います)。何より安いです。ウェッジと呼ぶ微動雲台やウェイトなど全部入れて 369 ドルです。これに日本で 7,000 円ほどで買える SkyWatcher の三脚を入れても、 6 万円以下です。 https://www.bhphotovideo.com/c/product/1452448-REG/sky_watcher_s20512_star_adventurer_pro_pack.html さらに PoleMaster を含めると総額 10 万円ですが、撮影の範囲と機会が広がることを考えれば安いものかもしれません。しかし問題は、対象の導入をどうするかです。肉眼ではほとんど星が見えないときに、どうすればいいのでしょうか。以前は、カメラで撮影してはパソコンでプレートソルビングし、少しずつ近づいていきました。これだけで、 30 分ほどかかっていました。外で撮影するのであれば、できればパソコンは使いたくありません( PolaMaster はパソコンを使いますが、最初だけですのでしょうがありません)。一度赤道儀と APT で自動導入と導入補正を経験してしまうと、元には戻れなくなります。 AZ-GTi の赤道儀化は AZ-GTi の赤道儀化はたくさんの人が実行されているようです。スマホで導入できますので、パソコンは不要です。オートガイドなしでも数分は追尾できそうですし、海外では 500mm で 6kg もの機器を動...

PixInsightの星の色とHαフィルター

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ここ数日PixInsightの練習をしていて、星に色があることがようやく理解できるようになりました。また、これまでに撮った画像の再処理をしているうちに、強調処理もほどほどでよいことが少しずつ体感できているように思います。 昨日ようやく撮影できましたので、過去のものと比較してみます(踏切事故の撮影ヘリコプターがしょっちゅう横切り、結構ボツが出てしまいました)。 ペガスス座M15球状星団 最初は、8月8日にEOS Kiss 5(SEO SP)+IDAS LPS-D1(64分)で撮影し、FlatAide Proとステライメージ8で処理したものを、半分ほどにトリミングしたものです。 ほとんどの星が、青緑がかった色をしています。これはもちろん、道具が悪いというより、使い方を知らない私のせいです。 次は、ベランダの天井にかかったり、ヘリコプターの写ったものを除いたりして、28分しか撮影できなかったものです(ASI 294 MC+SIGHTRON Quad BP)。 青とオレンジがかった赤色の星がはっきりと区別できます。色の調整は全てPhotometricColorCalibration(PCC)にお任せです。後は、星マスクを作って、多少星の彩度を上げた程度ですので、本当に楽です。 みずがめ座NGC7293らせん星雲 11時頃になるとヘリコプターも飛ばなくなり、月も落ちてきましたので、80分ほど時間をかけて、初めてらせん星雲を撮ってみました。最初がトリミングなしです。 左上の星がそろばんのコマ状にゆがんでいます。フラットナーからの撮像素子までの距離が合っていないのだろうと思います。次は、等倍に近くトリミングしたものです。 PixInsightに組み込んだStarNet++で星雲マスクを作って反転させ、RangeSelectionでファジーにし、MultiscaleLinearTransformで作った星マスク(同様にファジーにし)と、PixeMathで比較明合成して、星雲だけのマスクを作ります。それで星雲のノイズリダクションをして彩度を少し上げました。これでよいのかどうかわかりませんが・・・(毎日が試行錯誤です)。 これから AstroBackyardのTrevorさんが、通常のデジカメでHαフィルターを使うの...

PixInsightを使う

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色の調整の仕方が分からなかった 撮影の機会がないので、画像処理を試していました。スターマスクや星雲マスクも簡単な使い方ならできるようになったのではと思います。しかし、色をどのように調整したらよいのかが分かりませんでした。 ステライメージ8の「オートストレッチ」は、どの段階で適用するかで色が大きく変わってしまうように感じていました。 FladAide Pro でカブリ補正をしても、色合いはだいぶ変わります。 そんなとき、写っている複数の恒星の色データベースを参照して、自動的に色合わせをしてくれるソフトがあるという説明に目がとまりました。それが PixInsight の PhotometricColorCalibration (PCC) でした。さっそく試してみることにしました。 ユニテックさんの説明サイト ユニテックさんの「 PixInsight で画像処理を始めよう」を参考にすることにしましたが、全体の目次がどこにあるか分からず、毎回目的のところに行くのが大変でした。同じように考えている人がいて、しっかりした目次を作ってくれていました。 hoge-o さんの「ユニテックさんの PixInsight 入門のもくじ」です( http://hoge-o.hatenadiary.jp/entry/2019/05/14/093549 )。ここをブックマークしておけば一安心です。 コンポジット( Batch Preprocessing Script )まで メールアドレスや住所を入力して、ユーザー名とパスワードが送られてきたら、 45 日間の試用期間のあるソフトをダウンロードしてアクティベートします。コンポジットは、 Batch Preprocessing Script というプロセスを使います。 DeBayer のパターンを RGGB にしておくことくらいで、設定は簡単です。ただし Output Directory に大量のファイルが作られます。 色かぶり補正( DynamicBackgroundExtraction (DBE) ) FlatAide Pro も簡単ですが、この DynamicBackgroundExtraction (DBE) も簡単です。サンプルを generate ボタンで作り、 Correction ...

EQM-35 ProのDECガイドはなしに

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赤緯( DEC) のガイドが一方向でもハンチングが起きる 前回は、PHD2の一方向ガイドを北にすればよいのか南にすれば良いのか分からなくなったと書きました。説明書とは逆のように思えました。しかし、軸の設定( Axes )を変えると逆になることが分かりました。 RA/Dec と dx/dy では南北が逆になりました。 RA/Dec にすると、 Dec が南に行く場合はガイドを North に、北に行く場合は South にすればよいのです。どうも基本的なところが、いろいろと抜けています。 8 月 1 日になって、ようやく星が少し見える(といっても 10 時を過ぎても木星と土星しか見えないひどい空ですが)ようになりましたので、テストを兼ねて撮影開始です。 最初の 25 分ほどはうまくいっていますが、最後から 7 分前のところで大きくハンチングしています。 次のグラフは、 South を指定していたのですが、その後は南へ緩やかに下がっていきます。結局ガイドは「なし( Off )」と同じ状態になってしまいます。下のグラフでは 0 ピクセルから -4 ピクセルまで、約 40 分かかっています。 1 回の撮影を短く 2 分としましたので、 1 画像当たり平均 0.2 ピクセルずれていることになります。これなら問題はないのではないでしょうか。北極星の見えない場所で使う、赤緯のバックラッシュの大きい非力な赤道儀では、これが適切解なのかもしれません。 たて座 M11 野鴨星団 昨年、ポタ赤とオリンパス E-M5 II で撮ったものと比較するため、もう一度撮影してみました。 上のオリンパスの露出時間が約 10 分、下の ASI 294 MC が 40 分ですので、 294 MC がもっと良く撮れていても良さそうな気がします。空の状態がひどかったのでしょう。 いて座 M28 球状星団 初めて撮った、いて座の小さな球状星団です。小さい画像では良く見えないので、 4 分の 1 ほどにトリミングしています。 ASI 294 MC の向き ここまでやってきて、どうも画像の南北が毎回逆になっていることに気づきました。前もそうだったのですが、撮影中に 9...

Borgマルチフラットナーの光路長

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ASI 294 MC で撮った画像左端の星像が、流れていることは気づいていました。一昨日2撮影した M 16全体・中央・左上です。初めて サイトロン Quad BPフィルターを使ってみましたが、 IDAS LPS-D1との違いはよく分かりません。画像処理が下手で、どぎつい色になっていると思います。 (M16、 2019/6/25 、横浜市神奈川区、 Borg 71FL +マルチフラットナー 1.08 ×DG、フィルター  :  サイトロン Quad BP 、 ZWO ASI 294MC Pro ( 0 度) 、露出時間( 120秒 × 35 =70 分)、赤道儀  : EQM-35 Pro ( ASCOM + EQMOD )、ディザリング  :  あり( RA のみ)、オートガイダー  : QHY CCD   QHY5L-IIM +  ミニ・ガイドスコープセット、トリミングなし) (中央をトリミング) (左上をトリミング) フラットナーからセンサーまでの距離が問題だろうとは予想していたので、調べてみることにしました。 マルチフラットナーとデジカメの接続 Borg の説明書には次のように書いてありました。 カメラマウントとの接続は、カメラマウントホルダー M 【 7000 】ではなく M57 → M49.8ADSS 【 7923 】が推奨品です。※【 7000 】を使用する場合は焦点距離目盛を光路長分引っ込めて使用してください。 カメラマウントホルダー M 【 7000 】は光路長が 5mm ほど長くなるのに対し、 M57 → M49.8ADSS 【 7923 】は光路長が 0mm のアダプターです。たとえば、 EOS を接続するには次のようにします。   フラットナーの後ろがカメラマウントキヤノン EOS 用【 5005 】ですが、この間には M57 → M49.8ADSS 【 7923 】が隠れています。 一方マイクロフォーサーズですと、次のように長くしなければなりません。 フラットナーの後ろは、 ・ M49.8 延長筒 S 【 7921 】...

星マスクと星雲マスク(フラットエイドとステライメージ)

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画像処理でよく耳にする星マスクと星雲マスクを、とりあえずは作ること(使うことは後にして)にチャレンジしました。 FlatAide Pro で星像消去をした後で、スターシャープを掛けてみたこともきっかけになりました。まずは FlatAide Pro で星像消去と星マスクの作成をしてみますが、これが難関でした。 FlatAide Pro の星マスクと悪戦苦闘 説明書のサンプルを参考に、次のように「輝星検出」の値を小さく、「微恒星検出」の値を高く設定しました。左側のプレビューではうまく消去されているようにみえます。 ところがこれで「実行」ボタンを押すと、真っ青な画面になってしまいます。 全てが星だとされたようです。パラメーターをいろいろと変えてみても状況は同じで困り果て、メールでお聞きしました。そうすると、「微恒星検出」の値を低くしてくれとのことでした。 そこで、星雲が検出されない程度に「微恒星検出」の値をいろいろと変えていくと、 60 までが限界で、 70 を越えるとうまくいかないことが分かりました。 これで実行すると、一見うまく星像が検出されたかのようにみえます。しかし、この値ですと多くの「微恒星」が検出されずに無視されてしまいます。ここから「星マスク画像生成」を実行して保存し、それをステライメージ8( SI8 )で読んだのが次の画面です。 これでは、星の数が少なくてマスクとしては使えないような気がします。もう一度 FlatAide Pro の販売元にメールし、(1)このようになる原因は露光不足か(合計 32 分)、(2)プレビューと結果が異なるのはいずれ改善されるのか、について伺いました。(1)についてはその通りであり、都会では最低でも 2 時間の露光が必要である(ご本人は4時間とのこと)、低公害地でも 1 時間は掛けるべきとのこと、(2)については回答がありませんでした。 2時間以上露光しない画像は、少なくとも星像検出では、 FlatAide Pro はまともに扱ってくれないということですね。ここで、方向転換して SI8 で作ってみることにします。 ...